トルコのエルドアン大統領は10日、同国の議会がスウェーデンのNATO加盟を認める代わりに、トルコのEU加盟を要求した。

トルコがEUに加盟したがるのは、国内の経済不安や金融不安を和らげたい思いがあるとされるが、背景にはヨーロッパ社会への羨望もあるとされる。

近年、中東ではイスラム主義が大衆レベルで浸透してきており、トルコにイスラム社会の盟主を期待する声も大きい。トルコ国内でさえ、シリアやイラクを併合してトルコが統治し、治安の責任を持つべきだという声も少なくない。ウクライナ戦争もトルコが地域大国になることを後押ししている。

しかし、そのようなトルコの地政学的立場はヨーロッパの羨望を越えるものではないようだ。貧しい国を支配する帝国になるよりも、豊かなヨーロッパ社会の末席に座りたいという願望が見えかくれしている。