「若者には試合が長過ぎるって言うんだ。興味を持ってもらう工夫をするか、試合時間を短くするしかないと、サッカーに未来はない」と。
だからこそ、「欧州スーパーリーグが必要だ」という理屈になるのだが、それは置いといて「90分は長過ぎてしばしば退屈だ」というのは、還暦を過ぎた私ですら実感している。
例えば、ヘタフェ対バルセロナだ。
この試合はロスタイムを含めて116分間続いたのだが、正味のボール・オン・プレーの時間(芝生の上でボールがプレーされている時間)は56分間だった、と『マルカ』紙が報じている。
残りの60分間、つまり試合時間の半分以上は、ファウルだったり、ボールが外に出ていたり、倒れた選手がいたり、審判への抗議があったり、なかなかプレー再開しなかったり、交代で選手が出たり入ったりしてプレーが止まっていた、ということだ。
FIFAは「時間稼ぎを許さない」ということで今季からロスタイムを長く取っている。この試合でも26分間のロスタイムを取った。だが、ロスタイムをいくら取っても正味のプレー時間を増やすことにはならない。
増量では質は向上しないのだ。
元凶はファウルである。
この試合では31回のファウルが犯され、その度にプレーが止まり、審判への「イエロー出せ」という抗議がなされ、痛がる選手の回復待ちや治療をせねばならなかった。
90分間の試合のはずが実際には2時間近く続き、そのうち正味サッカーをしていたのは1時間というのは「タイパは最悪」で、「苦行」に近い。サッカーを離れていくのは若者だけではないだろう。

https://news.jsports.co.jp/football/article/20190310225568/