井上雄彦監督が15日、アニメーション映画『THE FIRST SLAM DUNK』のトークイベント“COURT SIDE in THEATER FINAL”に登壇し、本作の公開前に内容をほとんど明かさなかった宣伝について思いを語った。

本作は、前情報がほとんどない状態で劇場公開されたが、そのことについて「(映画の内容が)山王工業戦だということはずっと言ってこなかった。それでいろいろとご心配をおかけしたかもしれないです。でも人にプレゼントを贈る時って、包装をするじゃないですか。中身はこれですと言いながら渡すのってワクワクしないですよね。そういう理由で山王工業戦だというのは言いたくなかったし、言ってこなかった」と理由を明かした。

それは漫画家としての思いとも重なるそうで、「自分が漫画家として何を大事にしているかというと、ページをめくるという行為。めくった先に何が飛び込んでくるか、ということで驚いてほしい、ワクワクしてほしい。喜んでほしい。そういう気持ちが根っこにあるんです」とコメント。

それゆえに「だから映画館に来てもらって、何があるのかわからないけど、来てみたらこうだったみたいなことで。ページをめくったさきにあるものみたいにワーッと驚いてほしいし、驚いてくれたらこっちもうれしいという気持ちで、ずっとつくってきました」と自身が大切にしているポリシーを語った。