>>185
—大規模な金融緩和で大企業の収益が改善したのに、賃金が上がらなかったのはなぜだと考えるか。
 「長いデフレが続いたことで、みんな物価上昇に悲観的になった。
(企業の行動が)出血してでも(低価格で)ものを売るような商売になってしまった。
消費税増税でも企業が商品に価格転嫁できず、労働者などの川下にツケが回ったのではないか」

—「ツケが回る」とは、大企業がもうけても下請けの中小企業は取引価格を上げられず、労働者の賃金も上がらない状況のことか。
 「そうだ。いびつな状況だといえる」

—10年間たっても賃金があまり上がらなかったことは予想外だったのか。

 「予想外だった。僕は漠然と賃金が上がっていくと思っていた。
安倍首相もそう思っていたと思う。賃金がほとんど増えないで雇用だけが増えるようなことに対して、
もう少し早く疑問を持つべきだった。