1993年に創設されたJリーグが、今年で30周年を迎えた。クラブ数は当初の「10」から、現在はJ1~J3を合わせて「60」に増加。南は沖縄、北は北海道まで全国約40の都道府県にチームが存在し、一つのプロスポーツ文化として日本に定着したと言っていいだろう。

 一方で、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の9月開幕への移行や選手のパフォーマンス向上などを理由に、シーズンの期間を現行の2月開幕の「春秋制」から、夏場を避けて8月ごろに開幕する「秋春制」へ移行するか否かの議論が再燃していることや、リーグのライセンス付与や集客力に直結する「スタジアム問題」が各地で散見されるなど課題もある。

 今後、競技レベル、ビジネスの両面でリーグをさらに発展させていくためには、どのような理念や取り組みが必要なのか。2022年に第6代チェアマンに就任した野々村芳和氏が8月11日、沖縄へ来県中に那覇市内でインタビューに応じた。
世界のサッカー界でどう共存するか

ー来県の目的は。

 「去年から全クラブを回っていて、クラブの関係者やサポーター、スポンサーと現地で会い、現状の課題を聞いていました。今年は特にメディア回りをしています。Jリーグは60のクラブがどう地域で輝くかということを最大のテーマとしているので、メディアの皆さんに改めてJリーグの現状や取り組みを説明し、それと合わせて地元チームの露出もお願いしています」

ーチェアマン自身が訪問する意義は。

 「シーズンの期間移行の議論も東京から発信しているつもりではあったのですが、ローカルに行ってメディアの方と話すと、正確な情報をしっかりと届けられていないということが感覚として伝わってきたんです。やっぱり直接地域に行って、メディアの人たちと話をすることが大事だなと思ったので、各県を回っています」

(略)