DRAMとSSDの良い所取りした『ULTRARAM』が登場。近い将来メモリは1つに統合される?

現代のPCではCPUの処理に必要な小さなデータを一時的に格納するDDR5などDRAMメモリーと、写真や動画など容量の大きなデータを長期間格納するのはSSD(フラッシュ)と言う形で2つのストレージデバイスが搭載されています。

DRAMは非常に高速なアクセスが可能である一方で、揮発性メモリであるため電源が供給され続けなければデータの維持が出来ません。そのため、上述のようにCPUの処理に必要なデータを一時的に格納するために使います。一方でフラッシュは不揮発性メモリであるため電源が遮断されてもデータは維持できますが、DRAMほど高いアクセス速度は期待できません。そのため、PCではコストはかかるもののDRAMとフラッシュの2つのメモリを搭載しているのですが、近い将来この組み合わせが変わり、1つのメモリのみで問題がなくなる可能性があります。

それが、ULTRARAMと呼ばれる新しいフラッシュメモリです。

具体的には、ULTRARAMではDRAM並みの性能を提供できるのですが、読み書きに必要なエネルギー使用量は大幅に削減され、データも最大1000年程度保持できる耐久性を有しているとのことです。

このULTRARAMが実用化されればデータセンターにおいてはエネルギー使用量の大幅な削減が可能になる上に、消費者向けデバイスと共に今まではDRAMとフラッシュの2つを搭載していた事でデバイスの消費電力やパフォーマンスのボトルネックになるケースもありました。しかし、ULTRARAMが登場すれば消費電力を削減できると共に、完全なパワーオフ状態からの起動が高速化され、スリープモードなどが不要になる可能性があります。

https://www.electronicsweekly.com/news/business/825195-2023-08/