さながら「青い巨塔」である。

視認性を高めるため店舗周辺の街路樹を伐採、除草剤まで撒いていたことが発覚したビッグモーターだが、行き過ぎた「目立ちたがり体質」は別のトラブルも生んでいたことが明らかになった。

「自宅の窓からの景色に『BIGMOTOR』と書かれた青い巨大看板が現れたのは、昨年の夏のことでした。松山城を望む景観が台無しですよ」

そう憤るのは、愛媛県松山市内にある『ビッグモーター衣山店』の近隣に住む50代男性だ。同店の敷地に聳える約40mの「広告塔」は周囲から群を抜いて高く、異様な存在感を放っている。

この男性は他の近隣住民と共に、同店や市に苦情を入れたが……。

「市の条例では15mを超える屋外広告は設置できない。しかし今も看板はそのままです」(男性)

松山市の都市デザイン課担当者は、その理由をこう話す。

「当該広告はタワー式の立体駐車場の壁面に掲出されているもので、自立式の広告塔ではないため、規制の対象外です」

巨塔は立体駐車場だから何もできないというわけだ。だが、話はこれで終わらない。

地元の不動産業者が言う。

「あのサイズなら建設費が約1億円、維持費で毎年200万円はかかる。店舗の広大な平面駐車場の一部を機械式駐車場にするか、周囲の土地を取得したほうが格段に安い」

近隣住民からも、「タワーに車が出入りするところを見たことがない。立駐は巨大看板設置のための建て前では?」という声は聞こえてくる。

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