「唐揚げ店」運営会社の倒産最多 コロナ禍で拡大も物価高直撃

コロナ禍で急増したから揚げ店。運営会社の倒産が過去最多です。

 漬け込んだ鶏肉に衣をまぶし、たっぷりの油に入れてカラッと揚げればサクっとジュワが同居するから揚げのできあがり。コロナ禍を経て大人気だったから揚げ店に今、異変が起きています。

 帝国データバンクの調査によると、今年1月から6月にかけてのから揚げ店運営企業の倒産は9件と過去最多に。さらに「から揚げ店の多くは小規模な事業者で、実際はより多くの店が淘汰(とうた)された」とみています。一体、何が起きているのでしょうか。

 「渋谷スクランブルスクエア」に店を構えるから揚げ店で聞いてみると。

 KENTYSKITCHEN 橋口賢人代表取締役:「原材料の高騰によってから揚げ店がどんどん減ってきている状況になります」

 2021年と比べて輸入鶏肉の価格は2.5倍に。菜種から取れるキャノーラ油は1.7倍となっています。

 KENTYSKITCHEN 橋口賢人代表取締役:「先月、鳥インフルエンザがブラジルで発生したこともあって、さらにこれから鶏肉の値段高騰が考えられる。海外の為替事情や鶏肉の事情に左右されることのない国産の銘柄鶏をフレッシュな状態で使用する形に切り替えました」

 こちらの店では、為替の影響が少ない国産鶏肉への切り替え、油のコストが4割減らせる新たな調理器も導入しました。

 また、帝国データバングが指摘するのは出店増加による「競争の激化」です。コロナ禍により、テイクアウトの需要が増え、でき立てを手軽に持ち帰れることで人気を集めたから揚げ店。日本唐揚協会によると、から揚げ店専門店は2020年のおよそ2500店から2年間で2000店近くも増加し、全国で4379店に。しかし…。

 60代:「2、3年前は気に入ったお店があったのでそこで買ってたけど、ここのところ行っていない」

 テイクアウト需要も一段落した今年は全国で9店の増加にとどまりました。関東以外では増加しているものの、東京では86店の減少となっています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5399537e1a4e19579c8e3308a5a1473dcca12132