https://news.yahoo.co.jp/articles/7c598d2e2ff4c8e90c985ce12dbefce7a7104660
<DeNA0-5広島>◇22日◇横浜

 首位の阪神とはゲーム差が開いてしまったが、CSへの出場をかけた争いは、まだまだ終わっていない。
特に3位のDeNAは、2位の広島との対戦は負けられない。前日には宮崎が故障で抹消。
窮地の中の踏ん張りどころだと思っていたが、あっさりすぎるほど簡単に完敗してしまった。
1回裏、先頭打者の梶原がなかなかベンチから出てこなかった。初回の守備で、堂林のホームランをフェンスまで追ってぶつかった際に負傷。治療のために遅れたのだが、激しくぶつかったわけではない。本拠地であり、こんなプレーでケガをするようでは起用した方も困ってしまうだろう。

 打席では三塁線を破るヒットを放ったが、一塁を回ったところでストップ。ケガをしてなくても二塁打になったかは分からないが、ここで交代でベンチに下がった。

 宮崎が不在の試合で、初回に4点を奪われていた。この状況でスタメンで1番に起用された選手が、いきなり1打席でリタイア。
痛いものはどうしようもないが、これではチームの士気は上がりようもない。ケガ人が続出するチームを象徴しているようだった。

 ベンチワークにも、この試合にかける闘志は感じなかった。5回1死一、三塁で打率1割台の林に代打を送らず、三振に終わった。この場面、代打を送れなかったのは、梶原の途中交代の影響があったのかもしれない。
たった1打席で代打はないと考える人もいるだろう。しかし林は俊足でサードの守備もまずまずだが、打力はいまひとつ。第1打席も三振している。なんとかバットに当てて1点でもかえしておきたい場面だった。

 すべてに甘さを感じてしまう。今は時代が違うし「根性」や「気合」を前面に押し出せばバカにされてしまう風潮がある。それでもレギュラーをとるためには、ちょっとやそっとの痛みなら我慢しなければいけないときがある。
打率1割台の選手に気を使う必要もない。私の現役時代、スタメンで出ながら勝負どころで1打席で代打を送られることがあった。その悔しさを糧にして、練習に励んだ。右手親指を骨折した時も、試合に出続けた。レギュラーを渡したくない気持ちでいっぱいだった。

 ベンチはノビノビとプレーさせ、そんな環境の中で選手は思いきり力を発揮する。理想ではある。そういうチーム作りもいいと思う。しかしそれだけではなかなか強いチームにならない。
流れのいいときはいいが、チームが苦境のときは厳しさを乗り越える強さが必要。それを乗り越えたチームが、優勝するチームなんだと思う。(日刊スポーツ評論家)