全国の大学や高校などに1月、爆破や殺害を予告するファクスが送られた事件に関与したとして、警視庁が8月、20代の男2人を威力業務妨害の疑いで逮捕したことが捜査関係者への取材で分かった。
1〜5月に学校や自治体、企業などに延べ30万件以上が同様の手口で送信されたといい、過去最悪の被害とみられる。

 今回の事件にはネット経由でファクスを大量送信するサービスが使われ、2人は申込時に発信元を匿名化するシステム「Tor(トーア)」を経由してアクセスしていた。トーア使用の事件が立件されるのは異例。

 捜査関係者によると、逮捕されたのは無職大熊翔(26)=埼玉県草加市=と東京農工大学大学院生佐藤直(22)=東京都小金井市=の両容疑者。

「爆弾仕掛けたナリ」「払わないと起爆」
 2人の逮捕容疑は共謀して1月23日、東京音楽大学(東京都目黒区)に対し、「高機能爆弾を334個仕掛けたナリ」「30万円払わないと仕掛けた爆弾が起爆」などと書かれたファクスを送信し、同校関係者に爆弾を捜させるなどして業務を妨害したというもの。

実際には爆弾は仕掛けられていなかった。ファクス送信元として事件と関係ない実在の人物の名前が書かれ、事件に前後して一部のネット掲示板に関与をほのめかす投稿があった。

https://www.asahi.com/sp/articles/ASR8Q6TZCR88UTIL011.html