原作のグリム童話で「雪のように白い肌」と描写されている主人公をラテン系のレイチェル・ゼグラー(「ウエスト・サイド・ストーリー」)が演じることのみならず、映画の原題にも含まれる“7人の小人たち”をも、それぞれ性別や身長が異なる“摩訶不思議なクリーチャー”に変えてしまうのはやり過ぎだとして、保守派の批評家たちから非難を浴びるなか、当のゼグラーが昨年末、各紙のインタビューで「白雪姫が夢みているのは真実の愛を手に入れることなどではなく、強くて勇敢な真のリーダーになること」「PCバージョンだって批判する人も多いけど、そうあるべきだし当たり前でしょ!って言いたいわ」「オリジナルのアニメ映画は女性の社会的地位や役割に対する考え方がありえないほど古臭い」などと、オリジナル版に対して否定的な発言を繰り返したことが、火に油を注ぐ結果となった。

 このほど、英テレグラフ紙のインタビューに応じた先述のハンド氏の息子は、ゼグラーを非難こそしなかったものの、「実写化のコンセプトにはとても賛成できないし、父とウォルトも同じ気持ちでしょう。完璧な名作を全く違ったものに生まれ変わらせようというディズニーには失望しましたし、近年の彼ら(ディズニー)の急進主義的志向は度を超えている。“ウォーク(Woke=社会的不公正や人種差別、性差別などに対する意識が高いこと)”にこだわるがあまり、ストーリーからキャラクターから何もかも変えてしまうなんて、はっきり言って過去の名作を侮辱する行為だと思います」と率直に語った。