喜多ちゃん「(最近、ひとりちゃんみてるとドキドキする…)」
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昼休み
ぼっち「…」ジャーン ジャーン
喜多ちゃん「…」
ぼっち「あ、あの…喜多ちゃん、どうしたんですか?」
喜多ちゃん「…、えっ?」
ぼっち「い、いえその…さっきから私のほうみてボーっとしてるように
みえたので…」
喜多ちゃん「え、あ、ああ、ごめんね、ちょっと考え事してて。
そうよね。せっかく昼休みにギター練習してるんだから、私も自分の練習しないとっ」
ぼっち「え、ええ…」
喜多ちゃん「(おかしい…)」
喜多ちゃん「(最近、ひとりちゃんみてるとドキドキする…)」 クラスの授業中
喜多ちゃん「(この感じ…、この感情…、これってもしかしなくても…)」
喜多ちゃん「(い、いやいやない、ないわ!だってひとりちゃんはあくまで、友達で
同じバンドメンバーってだけなのであって…その)」
喜多ちゃん「(って、ああもう、わたし今日も授業中なのにずっとひとりちゃんのこと
考えてる…最近テストの点も下がってきてるんだし…、集中して授業聞かないと…!集中集中!)」
……
先生「…このように、夏目漱石は明治末期から大正初期にかけて数々の文学作品を生み出してきました」
先生「まあ…、最近の子はあまり古い文学作品など読まないらしいからあまり、なじみ深い人物ではない知らないかもしれませんが
…けど…例えばそう。漱石が「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳した、っていう逸話は
聴いたことある人、いるのではないでしょうか」
生徒1「えーなにそれ、なんかオシャレでカッコいい」
生徒2「ほんとだ、俺もこんど彼女に言ってみよ、いねーけどw」
先生「ほら、授業中に私語をしないっ」
喜多ちゃん「(へえ…)」 喜多ちゃん「(確かに、なんだかおしゃれでカッコいい言い回し…、私なんか好きかも
それに、作詞なんかにも使えそうなフレーズ)」
喜多ちゃん「(今度ひとりちゃんにも教えてあげようかな、あ、けど、ひとりちゃんは
作詞するのにおしゃれでカッコいい言い回し沢山知ってるし、もう知ってるかしら?
こういう、古い文学作品なんかもくわしかったり…)」
喜多ちゃん「(ってわたし、またひとりちゃんのこと考えてるっ…、ああもう…、授業に
集中しなきゃなのに…、最近なんでこんなに…っ!や、やっぱりわたし、ひとりちゃんの
こと…!)」
先生「また、漱石は俳人の正岡子規と親交が深かったといわれています。
同じ年だった2人は互いの才能を認め合い、尊敬しあう親友同士だったと
言われています…)」
喜多ちゃん「(……、尊敬…)」 喜多ちゃん「(そうだ、そうだったのね…、私がひとりちゃんに抱いているこの感情の正体…
それは、『尊敬』なんだわっ!)」
喜多ちゃん「(そうよ、ひとりちゃんは私よりギターが上手で、作詞も旨くてっ!
わたしは、あくまでバンドマンとして彼女を尊敬しているって、ことなんだわっ)」
喜多ちゃん「そ、そうだったのねっ!!」ガタッ
先生「喜多ー、授業中に叫ばない」 ……
そうだ…この感情は『尊敬』…友達であり、バンドマンであるひとりちゃんに尊敬の念を抱いているだけ…
STARRY
ぼっち「…」ジャーン ジャーン
喜多ちゃん「……」
リョウ「ぼっち、前よりずいぶんギター上手くなったよね」
虹夏「そーだね、ソロ弾きは以前からうまかったけど、こう、周りと合わせる技術もさ、上達してるっていうか」
ぼっち「え、ほ、ほんとですか、うへへ…」
虹夏「それに喜多ちゃんもギター上手になって…、喜多ちゃん?」
喜多ちゃん「え…?」
虹夏「どーしたの、ぼーっとして?」
喜多ちゃん「え、あ、ああ!な、なんでもないですすみませんっ」
喜多ちゃん「(そうだ…、こうやって…、ことあるごとにひとりちゃんの演奏に見惚れちゃうのも…
あくまで尊敬、からくるものなのであって…、そういうんじゃあ、ないのであって…)」 ……
喜多ちゃんの部屋
喜多ちゃん「(ひとりちゃんが新しく書いてきた作詞のこの部分、
『薄明に染まる空が』…、薄明ってなんて読むの?どういう意味なのかしら…?)」
喜多ちゃん「(………、そっか。ハクメイって読むのね。日の入りや日の出の薄明るいような空のことを言うんだ…
すごいなひとりちゃん。わたしじゃ検索しないと分かんないような語句やフレーズ、沢山
知ってて…)」
喜多ちゃん「(ギターも旨くて…、作詞も上手で…、かっこいいな)」
そう、こんなことをつい思っちゃうのも、あくまで私がひとりちゃんのことを尊敬してるだけなのであって… ある日 STARRY
きくり「ぼっちちゃーん、ひっさりぶりー、うぇーい」
星歌「あーまたうっさいのが来やがった」
ぼっち「お、おねえさん、お久しぶり…です」
きくり「うーん、相変わらずかわいーねー、えへへ」
ぼっち「あ、あの…あんまり抱き着かれると…その…、…」
きくり「えー、いーじゃーん、ひとりちゃんは私のこときらい?そんなことないよねー」
ぼっち「い、いやあ…あの、そういんじゃなくて」
喜多ちゃん「…っ」
喜多ちゃん「あ、あの、廣井さんっ!」 きくり「んー、どしたの喜多ちゃん」
喜多ちゃん「そ、その、私たちこれからバイトですし…それに、ひとりちゃんも困ってるからっ、そういうのはっ」
きくり「ちぇー、そうなの、わかったよ。またねーぼっちちゃん」
ぼっち「は、はい…、……、あ、あの喜多ちゃん、助けてくれて」
喜多ちゃん「……」プイ
ぼっち「え…」
喜多ちゃん「(そう…、こうやってひとりちゃんと距離が近い人をみるとモヤモヤしたりしちゃうのも…
これも、尊敬からくるアレなのであって…)」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています