「すぐに実用化できなくても汚染水との戦いは、数十年単位で続くのです。その間になぜ、日本の科学技術を進化させる機会を奪うのか。海洋放出容認派は、中国や韓国の原発は福島第1原発の何倍ものトリチウムを放出していると主張しますが、それこそ日本の技術を世界に売り込むチャンスです。トリチウム除去を巡っては近大の研究チーム以外にも、民間からさまざまな技術提案がなされていますが、政府も東電も一顧だにしません。理由はALPSなど海外の権威ある技術を使っておけば失点につながらないという保身でしょう。リスクを恐れず、新たな技術に挑むのが本来のあるべき姿です」