https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-08-30/S06YHNDWX2PS01
中国の華為技術(ファーウェイ)が900ドル(約13万円)を超える洗練されたスマートフォンを発売し、
米政府が同社などに科している制裁措置を大手の中国企業が克服しつつあるのではとの期待が国内のテクノロジー業界で高まっている。

  スリムなベゼルの「Mate 60 Pro」は今週、オンラインモールでほとんど予告もなしに販売が始まった。

  中国のオンラインユーザーの間には、ソフトウエアや半導体に関する米国の制裁措置と何年も闘ってきた華為の復活をこの新製品が告げているとの意見が広がり、
多くのユーザーが高速のワイヤレス性能を示すスクリーンショットや動画を投稿。ファーウェイが第5世代(5G)移動通信の半導体テクノロジーを得たのではないかとの臆測を呼んだ。

  投資家はこうした動きを好感。30日の中国株式市場では、中国の半導体関連企業や機器メーカー、華為のサプライヤーなど10社余りの株価が8-20%上昇した。華為は上場していない。

米政府の制裁措置により台湾積体電路製造(TSMC)などから最先端の半導体テクノロジーを入手できない華為だが、
関連銘柄の値上がりは、中国企業がTSMC製品などに一部匹敵し得る5G半導体の設計・開発をある程度なし得たとの観測を反映している。

ブルームバーグ・ニュースはこうした見方の信憑(しんぴょう)性を検証できていない。

  オンラインに投稿された複数の分解動画によると、Mate 60 Proは華為の半導体部門ハイシリコンが設計したプロセッサー「Kirin (キリン)」を搭載。
幾つかのオンラインメディアはこの搭載プロセッサーに関し、最先端の半導体から一世代遅れの5ナノメートルノードテクノロジーを採用していると伝えた。

  ブルームバーグは半導体の製造元や洗練度を特定できなかった。中国の通信規制当局はMate 60 Proについて登録の詳細をウェブサイトに掲載していない。