中でも、丸田を気にかけている球団の一つが阪神だという。

「丸田のお父さんは兵庫県出身で虎党だったと聞いた。当然、丸田も父の影響を受けているでしょう。阪神はかつて慶大卒の安藤統男氏が監督を務め、南信男元球団社長も同大卒。南社長時代には慶大の伊藤隼太を1位指名した。阪神電鉄は、東京六大学、特に早慶出身者を重用してきた経緯がある。今の岡田彰布監督、中村勝広元監督も早大です。もっというと、親会社の阪急も、トップの角和夫会長兼CEOは早大卒で、創業者の小林一三は慶大卒。丸田が4年後にプロ入りを表明すれば、球団幹部手形を出してでも取りに行くかもしれません」(アマ野球担当記者)

 慶応好きの球団と言えば、正力亨元オーナー、藤田元司、高橋由伸という監督経験者に慶大卒がいる巨人、東京六大学の神宮を本拠地とするヤクルト、慶大卒の高木大成氏がフロントの要職を務める西武あたりか。

「慶大卒は野球界にもたくさんいますが、広島とロッテも慶応色が強い。広島は、先代オーナーの耕平氏、現在の元氏、その甥でオーナー代行の一宏氏と3代が慶大卒というバリバリの慶応一家です。抑えの矢崎(16年1位)、左腕の長谷部(22年6位=トヨタ自動車)も慶大出身で、スカウトは慶大の選手を常に注視している。ロッテも、21年に親会社のロッテホールディングスの社長に就任した玉塚元一氏が慶大卒で、ロッテ球団のオーナー代行を務める。19年ドラフトの育成2位で慶応高、慶大卒の植田将太捕手を指名したのは、玉塚社長が就任する前なので、あくまで偶然ですがね」