ニュースキャスターは嬉しそうに「今日も猛暑日ですね、熱中症に気を付けましょう」
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気を付けましょう
気を付けましょう
気を付けましょう 僕は家にいればいいんだろう
僕は家で寝てればいいんだろう 天気予報士、ニュースキャスター、コメンテイター
揃いも揃って テレビ画面で誰一人
「ああ、これやばいですね、人類もう終わりですよ」
って言わないの? ここからは俺の人類未来予想史だ
大学で環境学を学んだ俺からの助言ではない
未来の人間が過去を掘り下げた時にこのログを見てほしい
未来人へのメッセージだ 人類を滅ぼすのは巨大隕石でも、火山の大噴火でもない その他大地震や大津波、太陽フレア
といった自然の外的要因ではない ここ100年、間違いなく「地球温暖化」は発生している エセ科学をかじった物知りさんは「そんなものはない」
あるいは「地球規模で発生している気候変動の一貫だ」
などとのたまうかもしれない 違う、明らかに「人間活動を要因とする"急激な"温暖化」が発生している 確かに、地球の歴史を見ればこのくらいの気温になることはあったし
今よりもずっと暑くても自然豊かな環境は存在した だがそれは、数万年単位でじっくり時間をかけて温暖化した結果であり
その間にあらゆる生命体はその気候に合わせて進化する余地が十分にあった 今人類が直面している温暖化は、わずか100年単位で発生しているもので
地球史においてこれほどまで急激な気候変動は「稀」であった 稀というのも、そういった急激な気候変動が発生するのは
先に書いた「隕石衝突」や「世界規模の火山噴火」が要因のものだ その後に起こることは知っての通り「あらゆる生物種の大量絶滅」に他ならない つまり、人間は「巨大隕石の衝突」に相当する環境の変化を
現在進行形で「人為的に」行っていることになる 世界人口推移
1950年 → 25億人
1987年 → 50億人
2022年 → 80億人 これだけの人間がまだ増え続けている
お前らがジジババになってる頃には100億人を超えるだろう
一説によると人口増加は落ち着いて減るという予想もあるが
俺はそれには懐疑的だ 考えてみろ
100億人の人間が経済の豊かさを求めて都市を築き
メシを食いゴミを出し糞は川と海に垂れ流す ダメだとわかっていても石油を燃やすことをやめられない
地中に眠ってるウラン鉱石をどうしようもなく近寄ることすら許されない高レベル放射性廃棄物へと変換させる 100億人もいればただ呼吸するだけでCO2排出量はすさまじいだろう
まして屁をこいてウンコすれば大量のメタンが発生する この先20年、いや10年間でこの温暖化は加速度的に上昇するだろう まず日本は冬が無くなる
6月から10月まで最高気温が30度を超える酷暑となる この熱波に耐えられず最初に死に始めるのが子どもや老人
ではなく、建築、輸送、その他エッセンシャルワーカーの屋外労働者たちだ 彼らはどんなに暑くても外で労働しなければ金を得られないので
働き続ける そして学生達は夏の異常な熱波を恐れて屋外労働を拒み
いっそうの人手不足が横行する 人手不足のしわ寄せは現役労働者となり
屋外労働者たちは過労と熱波で死に追いやられる 海に囲まれた島国日本はまだマシで
砂漠化が進むサヘル、中国、モンゴル
そして赤道に人口が密集するインドでは熱波による億単位の死者がでる この温暖化は始まったらもう戻れない「不可逆の」温暖化なのだ 視聴者の中に日本人は
いませんでした
いませんでした
いませんでした 温暖化のメカニズムの一つに「海洋深層水の対流の停止」が挙げられる 簡単に言えば南極と北極で冷やされた海水が
赤道付近で温められた海水と均質化しようとするために
海流が発生するというものだ ところが今や北極も南極も氷が溶け、海水温が均質化しようとしている こうなると海の対流が滞り、気候も生態系も丸ごと破壊される これも一度人間が燃やしたり枯死してしまうと
二度と戻ることはない 人間が今この瞬間から森林伐採の全てをやめたとしても
植生が戻ることは二度とない 「何も対策しなければ人類は滅んでしまうじゃないか」
もちろんそうだ だからそれでいいんだ
おそらく近い将来、不可逆の熱波によって人類の大半が死滅する しかし文明が崩壊すれば、少しずつではあるが自然は回復する チェルノブイリ(チョルノービリ)では原発事故後は人が存在しなくなり
シカや鳥などの野生生物の楽園となった
コロナが発生した武漢ではロックダウンがなされ、人間活動が停止した武漢の空はそこだけ大気汚染がぽっかりと解消された 人間がある程度いなくなり、文明が保て無くなれば
数千年かけてやがて気候も生態系も回復するだろう あとは遥か未来の、人間かそうでない知的生命体が
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