日産自動車(横浜市西区)が2009年をもって休部していた硬式野球部を復活させる方針を固めたことが3日、分かった。24年は指導者や選手の獲得などチームづくりに注力し、25年の活動再開を目指す。社会人野球の最高峰、都市対抗大会で2度の優勝経験を誇る名門が16年ぶりに復活し、神奈川の野球を盛り上げる。

 日産野球部は1959年に創部。追浜工場がある横須賀市を本拠地とし、都市対抗大会には過去29度出場。2003年には日本選手権も制覇した。プロ野球界に高崎健太郎(元横浜DeNAベイスターズ)ら複数の選手を輩出したことでも知られる。

 業績悪化で14年ぶりの営業赤字となった09年、当時のカルロス・ゴーン社長が「コアビジネスに集中するため」と経営改善策の一貫で陸上部、卓球部とともに野球部の休部を発表した。

 しかし、19年12月に就任した内田誠社長が事業構造改革を進め、安定した収益基盤を築きつつあることに加え、「(組織の)ワンチーム」を強調して企業の文化改革も推進。そのシンボルに野球部を位置付けたい狙いがある。

 野球部の本拠地は従前同様、横須賀市とし、地域の社会貢献にも尽力する。また、同時期から休部していた日産自動車九州野球部は、後継に当たるクラブチームを引き継ぐ形で来年復活する。https://news.yahoo.co.jp/articles/f13836b6aba3acc8d9d2b4ee4a9374f4bb784fab