仙台市泉区のアマチュア天文家清野和裕さん(73)が、木星に隕石(いんせき)が衝突した際に放ったとみられる閃光(せんこう)現象の撮影に成功した。清野さんは「一生に一度の幸運な出来事」と喜んでいる。

【動画】木星に隕石が衝突する瞬間

 撮影地点は宮城県登米市登米町の軍場山で、口径20センチの反射望遠鏡で衝突の瞬間を捉えた。8月29日午前1時45分ごろ、隕石が衝突したとみられる強い光が発生し、その後約2秒間にわたって閃光を確認した。

 清野さんは10年前から、出身地の登米市に私設の観測所を構えて天体観察を続けている。28日は夕方から土星や木星、太陽に接近している西村彗星などを追いかけていた。

 地元の天文仲間からの連絡などで「木星に隕石が衝突した」と知り、観測データを確認すると決定的瞬間が鮮明に写っていた。画像から推測すると、隕石は地球以上の大きさがあったとみられる。

 デジタル技術の進歩により、アマチュア天文家が観測できる領域が飛躍的に広がっており、清野さんは「この映像をきっかけの一つにして、若い人たちが宇宙のロマンに興味を持ってもらえれば」と期待した。

https://kahoku.news/articles/20230902khn000019.html