【台湾発】
 野球のU―18W杯(台北・天母野球場)日本代表の東恩納蒼投手(18=沖縄尚学)が8日のプエルトリコ戦に先発し、5回53球を投げて無四球無安打の「完全投球」を見せた。

 強力なプエルトリコ打線を寄せ付けなかった。初回を3者凡退であっさり終わらせる好スタートを切った東恩納は、その後も無双状態。「細かい制球でミスがあった」としながらも、3回にはスライダーを決め球に圧巻の3者連続三振を奪った。

 味方の援護もあり、5回コールド勝ち。東恩納は「ここだ、という大一番の試合でこういう結果を残せたのは自分の中でもとても自信になりました」と振り返った。馬淵監督も「(東恩納は)試合を作れるからね。大事なゲームなので東恩納に託したんですけど、よく投げてくれましたね」と称賛した。

 そんな右腕は、マウンド上や取材時には冷静沈着な様子が目立つが、素顔は真逆でおちゃめな一面を持つ。6日のオフに飲食店で行った昼食会の際には、名物の小籠包を食べながら「超超超超超うまい!」と絶叫。ナインからは華麗にスルーされていたが、その後もお構いなしに連呼していた。

 さらには台湾人の店員に対して「ワッツユアネーム?」と片言の英語で積極的にコミュニケーション。これもまたスルーされていたが本人は終始ご機嫌で、その様子はさながら元日本ハムの杉谷拳士氏をほうふつとさせた。

 そんな東恩納についてナインからは「チームの盛り上げ役。〝滑り芸〟でチームを鼓舞してくれます」と評価の声も。当の本人は「普段はおちゃらけてる方なんですけど、試合ではスイッチを入れてます。(真面目な自分は)ニセモノですね」と笑い飛ばした。

 投球は本格派、素顔はエンターテイナーな琉球右腕は、チームの快進撃を支える原動力となっている。

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