日本有数の温泉地で知られる大分県別府市がタクシー、バス運転手の不足解消を狙って導入した移住支援策が振るわない。
県外に住む就職氷河期世代を対象に1世帯当たり最大400万円の支援金を用意するものの、7月の募集開始から申し込みはゼロ。
市の担当者は「これが現実」と肩を落とし、観光客の受け入れ体制に気をもんでいる。

 別府市は、政府の就職氷河期世代の就労支援を目的とした補助金を活用し、供給が追い付かない公共交通機関の運転手の補充を目指した。
ところが、対象となる30代半ばから50代前半の応募はなく、60、70歳代の問い合わせが多いという。

 別府市の移住支援金は1世帯100万円(単身世帯は60万円)。首都圏居住で12歳以下の子供がいる場合は最大3人まで
1人当たり100万円(首都圏以外は30万円)を加算する。さらに免許取得に要する費用の一部も助成する。募集期間は来年1月31日まで。

 市によると、新型コロナウイルス禍での利用低迷で離職者が相次ぎ、市内のタクシー6社の乗務員は約2割減った。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/278588