ロッテ名物アナウンス担当の谷保恵美さん(57)が、今季限りでマイクを置く。「今年限りで卒業することを決めました。突然決めたわけではなく、ここ数年は毎年、辞めるタイミングはいつが良いのかを考えていました。昨年オフにやり切った気持ちがあり、あと1年と決めていました」と26日、明かした。

球団職員として90年に入社し、91年からアナウンスを担当。昨年7月17日のソフトバンク戦では公式戦通算2000試合となるアナウンス界の“名球会”入りも達成している。「日刊スポーツのテーブル(試合経過などのスコア表)は、33シーズンお世話になりました」。弊社紙面も資料として使用してくれていた。
今季の本拠地ZOZOマリン開催は残り6試合で、通算2100試合となる予定だ。連続試合担当は1894試合に伸ばす。「最後までまだ試合が残っていますし、残りのレギュラーシーズン、クライマックスシリーズ(CS)、そしてその先もありますので、今年は私の声にお付き合いいただければと思います」。2位でのCS本拠地開催、日本シリーズとなれば、さらにアナウンスは続く。

「ファンの皆さまにしっかりとごあいさつ(アナウンス)をする形での終わり方の提案も球団からいただきましたが、やはり本来は一人の裏方なので、最後は放送室の中から見守る形で静かに終わる形を選ばせていただきました」。本人の希望で、セレモニーなどは予定されていない。


次の夢もある。「野球関連ではありませんが、ずっとやってみたいなと思っていたことがあるので、これからいろいろと模索しながら、実現出来るように頑張っていこうと思っています」。球界から離れる意向もある。「4番ライト、サブロ~~~~~」「フク~ラ~~(福浦)」などの独特な言い回しで、選手からもファンからも愛され続けてきた美声も、あとわずかで聞き納めだ。