今でも野球ファンの間で語り継がれる「33―4」というキーワード。これは05年に阪神がロッテと戦った日本シリーズ4試合のスコアの合計だ。

 阪神は第1戦から10失点の大敗。先発のエース・井川慶が打ち込まれ、日本シリーズ史上初の7回濃霧コールドゲームという出だしとなった。そのまま3試合連続で二桁失点を重ねるなど投壊。119得点、60盗塁の赤星憲広、40本塁打、125打点の金本知憲、147打点の今岡誠らを擁する打線が、わずか4試合で4得点と撃沈した。

 これには原因があった。阪神は9月29日にリーグ優勝を決め、そこから10月22日の日本シリーズ開幕まで3週間ほど〝真剣勝負〟に対するブランクがあった。全日程終了後、阪神が自軍の主力投手を相手に甲子園で行ったシート打撃で、主軸の金本、今岡らの打球がほぼ前に飛ばなかったことが強く印象に残っている。それほど実戦勘に狂いが生じていた。

 当時を知る阪神OBはこう語る。

「どうにもならなかったですね。セ・リーグはまだCSがなかったですが、あの年からパ・リーグはCSが始まった。そこでロッテが快進撃ですから、勢いが違いすぎましたよね。当時は言い訳になるのでそうは言えなかったですけど」

 事実、ソフトバンクに次ぎパ・リーグ2位だったロッテはプレーオフ第1ステージで西武を2勝0敗、第2ステージでソフトバンクを3勝2敗で下しパ・リーグ優勝(当時のルールではプレーオフ勝者がリーグ優勝)に輝いた。

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