日本ハムからFAの近藤健介、西武入りへ 少年時代からファン、松井稼頭央監督の直接出馬が決め手に

 日本ハムから国内FA宣言中の近藤健介外野手(29)が西武入団を決意したことが、20日までに分かった。近藤の日本ハムでのイベントが一段落する今週末を待って正式に獲得が発表される予定だ。

 今季は5月に右脇腹の肉離れを発症した影響で規定打席に届かなかったものの、5年連続出塁率4割超をマーク。オリックス、ソフトバンク、ロッテ、西武に、日本ハムを含めた、パ・リーグ5球団が争奪戦を繰り広げていた。

 中でも西武からFAの森友哉捕手(27)を獲得し、勢いに乗るオリックスと、交渉解禁初日にアタックしていたソフトバンクの2球団が豊富な資金力をバックに交渉を優位に進めていたとみられていた。

 風向きが変わったのは森のオリックス移籍が決まった16日。西武はこの日、近藤と初交渉に臨み、松井稼頭央監督(47)が直接出馬した。松井監督の現役時代から親交があり、少年時代から西武ファンだった近藤は指揮官とのサプライズの対面に感激の様子だったという。

 松井監督は「今年もよくグラウンドで話した。野球への取り組みだったり、姿勢だったり、常に向上心を持ってやっていく姿を話していても感じますし、本当にすごい。『そういう考えがあるんだ』というのは僕らも勉強になる」と高く評価。「球団が動いてくれるというのは非常に大きい。あれだけの選手ですから来てほしい。その時が来たらしっかり思いを伝えたい」と明かしていた。

 近藤は千葉出身で、関東で長期契約でのプレーを希望しているとの意向を西武はキャッチ。森の残留へ用意していた6年総額24億円規模の条件をそのまま近藤に転用した形だ。

 西武のFA獲得は2016年にテスト生から加入の木村昇吾内野手以来4人目。FA選手は出て行かれる一方だったが、初めて西武に憧れていた選手が入団することになる。