〝アベの考え〟で初陣を飾った。巨人・阿部慎之助新監督(44)が10日、野球日本代表「侍ジャパン」との練習試合(清武)に1ー0で勝利し、就任後初の対外試合を白星で飾った。先発した1年目の松井颯(はやて)投手(23)、4年目の堀田賢慎投手(22)らが指揮官から授かった「困ったら、ど真ん中に投げろ」の教えを体現。4投手で1四球の完封リレーで初勝利をプレゼントした。



阿部チルドレンの積極性と大胆さが光った。侍ジャパンとの練習試合で〝監督初勝利〟を飾った阿部監督は、若手の奮闘に納得の表情を浮かべた。

「『困ったら、ど真ん中に投げろ』と言っていた。技術的に全部アウトローに放れと言っても無理だし、ああいう投げっぷりは大事と改めて思った。今日はとてもいい1日だったと思う」

指揮官が目を細めたのは投手陣の奮闘だ。先発した明星大から入団1年目の松井が、5安打を浴びながら3回無失点。2番手で登板した4年目の堀田は強気な投球で3回1安打無失点とつなぎ、ルシアーノ、直江の4投手で完封リレーを完成させた。四死球は直江が九回2死から出した1つのみ。制球力が光った背景に、捕手出身ならではの助言があった。

今季465四死球(リーグワースト2位)を与えた投手陣に、青年監督が就任直後から伝えたのは大胆さの重要性。「最後はど真ん中に投げ込む度胸があるかないか」ー―。打たれることを恐れ、コースばかりを狙って力強さが欠けることをなくすのが狙いだった。この日は「基本、3球勝負」で挑み、捕手陣には、厳しいコースに構えるのでなく、真ん中付近に構えることを伝えていたといい、バッテリーが結果で示した。

直球で押す投球スタイルが持ち味の堀田は「監督から(打たれるとか)そんなの気にしなくていいといわれたのは、自分の中でも切り替えられるのが大きい」と気持ちの余裕を実感した。

24歳以下が中心と将来有望な若手が集う日本代表相手に完封勝利。「自信にしてもらいたいですね」と新指揮官。阿部イズムが注入されたヤングGたちが指揮官の初陣に花を添えた。(樋口航)

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