【市長と業者のメールも】広島・安芸高田市の石丸市長が再び敗訴 選挙ポスター費など一部未払い 広島高裁判決

この民事訴訟は、2020年8月の安芸高田市長選で初当選した石丸市長が、広島市中区の印刷業者に発注した選挙ポスターやビラの製作費107万7549円のうち、選挙運動費用の公費負担の上限額に当たる34万8154円のみを支払い、一部を支払っていないとして、業者が残額の72万9395円を求めているものです。

一審の広島地裁は今年5月、「営利企業が赤字になることをいとわず業務を請け負う理由は乏しい」などとして、業者側の主張通り残額の支払いを石丸市長側に命じる判決を言い渡しました。石丸市長側は「自分のみならず業者も『代金が公費負担の上限額に収まる』と認識していたのは明らか」などとして控訴していました。

13日の判決で広島高裁の西井和徒裁判長は、両者のメールのやりとりなどを基に、「業者が『公費負担の上限額を代金とする』意思を示していとは認めがたい」と指摘。また、「契約の確定から納品まで極めて短期間だった上、両者の間で以前に同様の取引が行われたことはなく、代金を決める際に公費負担額を重視すべきとは言えない」などとして、石丸市長側に残額の支払いを命じた1審判決を支持し、市長側の控訴を棄却しました。

石丸市長は「業者の勘違いに対する司法の評価が興味深いことになった」とコメントしています。