粗大ごみソファから現金、処理施設職員が懇親会費に流用…小銭はプールしてジュース購入
2024/01/14 13:07

 長野県の上伊那広域連合(伊那市)は13日、伊那市内で記者会見を開き、同連合が運営するごみ処理施設「クリーンセンター八乙女」(箕輪町)の職員が、粗大ごみから出てきた現金9万円を警察に届け出ず、5万2000円を職場の懇親会の飲食代に使っていたと明らかにした。ごみに紛れ込んでいた小銭を職場でプールし、ジュースなどの購入に充てることも常態化していた。同センターの竹村和弘所長は組織的な事件と認め、「長年にわたり犯罪行為が繰り返されていた」と謝罪した。

記者会見で頭を下げる竹村所長(左)ら(13日、伊那市で)
 同連合によると、昨年7月24日頃、粗大ごみとして出されたソファを職員3人で解体中に1万円札9枚を見つけた。対応の相談を受けた上司は「今まで通りの方法でいいのでは」と返答。8月30日に箕輪町内の飲食店で開かれた懇親会には10人が出席し、会費を払った上司以外の現場職員9人の飲食代に5万2000円が充てられた。

昨年10月中旬、内部告発とみられる匿名の手紙が同連合の代表監査委員に届き発覚。連合事務局が職員の聞き取り調査を行い、事態を知った竹村所長は12月26日、職員からの弁償分を含む9万円と、プールされていた小銭約5000円を箕輪町内の交番に届け出た。
しかし、1月10日に同連合から相談を受けた顧問弁護士の長谷川洋二弁護士は、現金を警察に届け出ずに使った段階で犯罪となるほか、職員に弁償させて拾得物として届け出たのは公正証書原本不実記載罪に当たると指摘。翌11日に伊那署に事実を申告した。

 竹村所長は記者会見で、「5万2000円を飲食代に消費し、かつ警察に虚偽の報告をしたことは許されない」と謝罪。拾得物の対応マニュアルを作成したことを明らかにした。連合事務局は、警察の捜査を待って職員の処分を検討するとしている。

 同センターは、同連合を構成する上伊那8市町村で出される粗大ごみや不燃物などを処理している。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20240114-OYT1T50087/