チームスローガンに「新風」を掲げ、1日から宮崎春季キャンプに臨む巨人・阿部慎之助新監督(44)がスポニチ本紙の単独取材に応じた。球団史上初となる捕手出身監督は、初めて指揮官として臨む今キャンプ中の時間の使い方や休日の過ごし方などを設定した阿部流「五箇条の御誓文」を発令。常勝を期待されながら20年以来、優勝から遠ざかっているチームを「夜明け」へと導く。
 いよいよ春季キャンプが始まる。使命は20年以来4年ぶりの覇権奪回、そして常勝軍団の復活。阿部監督は、胸に秘めていた思いや考えを次々に掲げた。

 (1)部屋で寝る前に翌日のシミュレーションをすべし 「現役時代は寝る前に翌日のシミュレーションをした。明日は全体練習以外で、これだけは絶対やる、とか。自分で決めたことをやることが自信になる。何か一つ、継続してほしい」。自身は部屋の窓ガラスを鏡代わりにタイミングを取る練習をしたといい「真剣に10スイングでもいい。5分で終わる。その時間をつくれるかで差が出てくる。やっぱり、多くやった人が勝つ」と求めた。

 (2)2、3軍の選手は常に1軍に呼ばれる準備をすべし 今キャンプは新人支配下5選手が全員1軍スタート。新戦力の多くが名を連ねているが、2、3軍も予定で「2軍の若い子を一日だけ1軍の練習に入れちゃったりとか、3軍の子を入れちゃうとか。雰囲気だけでも味わってもらいたいっていうのもある」と1軍レベルを肌で感じさせるため若手を一日限定で昇格させるプランも温めている。

 (3)実戦はフル出場すべし 15日に宮崎から那覇に移動し、練習試合、オープン戦が組まれる。「野手だったら1試合は全部、任せてあげたい。2打席で交代とかじゃなくて。その体力はしっかりつけてくれって言う。ベテランも一緒。なるべくフルで」。グラウンドに立つのは責任が伴う。途中交代ありきの起用はしない。

 (4)宿舎でコーチは選手のテーブルで食事すべし 「コーチにはまだ言っていない」と前置きした上でこう続けた。「お酒を飲みながら“今日、練習どうだった?”とか選手とコミュニケーションを取ってほしい」。これまで宿舎の食事会場ではお互いに気を使い、選手は選手、首脳陣は首脳陣で固まることが多かった。首脳陣と選手の壁を少しでも低くし、より一体感が生まれることを願う。

 (5)休日はゴルフで交流すべし 休養日は心身をリフレッシュする時間でゴルフを推奨する。「選手、コーチと回るのもたまには必要だろうし、コーチだけで回るのも必要だろうし、若い子も連れて行って楽しんでもらうことも必要」と青空の下でリラックスして対話することも重要な時間と強調した。