北海道日ハムが悩まされている問題がある。

 日ハムが本拠地としている札幌ドームが、この4月1日から使用料の値上げに踏み切ったのだ。
消費税分の値上げだが、1試合の使用料が4万人の動員でおよそ1600万円に設定されているのでオープン戦も含め年間に70試合ほど使用し、この料金だけで9億円ほど支出していることを考えればバカにならない金額である。

問題は、この基本使用料だけではなかった。日ハムはドームがコンサートやイベントなどで使用される度に日ハム側が資金を出したフィールドシートの撤去、設置を余儀なくされ、ドーム内のトレーニング施設の器具なども、すべて片づけなければならない。
それらの経費だけでなく、警備費、清掃代なども球団持ちで基本使用料とは別に年間15億円ほどをドーム側に支払っている。しかもドーム内の飲食店の運営、売上げは、すべてドーム側。
グッズに関しても、広島のような直営ではなくドームに卸す形態。また広告看板代に関しても球団が、2億5000万円で買い取っている。
つまり年間、約26億5000万円をドーム側に支払っていることになるのだ。日ハムの年俸総額は、27億円超。ドームにかかる費用と、ほとんど変わらない。

 ある関係者が言う。

「極端な話を言えば、ドーム側が理解を示してくれれば、球団経営は本当の意味で黒字化して、ダルビッシュや糸井を簡単に出さなくて済んだのかもしれない。もっとチーム強化にもお金をかけられる」

 実は日ハムは、本社からの年間27億円に至る広告宣言費の補填を受けているが、このお金がなければ、単体では赤字経営である。その経営を圧迫しているのが、この球場問題なのだ。

 ダルビッシュ有のポスティング移籍を認めたのは、本人の強い希望を受け入れたものであるが、年俸が高騰するダルビッシュを経営上、保持しにくくなっていた側面もある。
球団単独での経営が厳しいのに、一方、ドーム側は黒字だというのだから、何をか言わんである。
 これまでも日ハムは、何度となく公式、非公式に使用料の値下げや運営権の一部譲渡を札幌ドーム側に訴えてきたが、すべてノー。しかも今回は、それらの要望を聞くどころか逆に値上げである。