貿易や小売りも転売ですが、
そこには、「入手したい人に、入手しにくいものを届ける」ってところに社会的な価値が発生している。
需要があるところに供給しているという行動にたいして利益が付き、だから商売として認められているわけです。
社会には必要なものです。

しかし、先着で買い占めてそれを売る転売屋やダフ行為は、
転売屋達がなにもしないほうが入手したい人が簡単に入手できる。
なので転売屋は社会的に価値を生んでおらず消費者にとっては有害な存在です。
いないほうが社会にはいい存在なわけです。
例えるなら目的地にいくのに必ず通らなければいけない道にわざと穴を掘って、
「俺に金を払えばこの穴を埋めて通してやるよ」といって大金せしめているヤクザ者と変わりません。

また転売されたものの値段は、転売屋がいるが故の入手困難性への手数料として値段があがってしまっているわけであり、
市場原理での価格ではなくなっています。
これでは本来他の商品へ回るはずだったお金が、他人を邪魔した者(反社会的な行為をする者)へ流れてしまったことになります。
これが繰り返されると、反社会的な人物がのさばる社会となっていきます。

このように転売は普通の流通を妨げることで、品物の価値を高値にして利益を稼いでいるわけなので、
流通という価値を提供することで利益を得ている貿易や小売りとはまったく逆のことをしているわけです。
流通をせき止めることで、それを人質にして身代金を要求する行為が転売です。

「違法でなければなにやってもその責任はすべて社会のせい」として、
市場経済は万能なのだというのは無責任なだけのリバタリアンの考え方。
そういう認識だと無限の法整備をせねばならなくなり、社会の善意や信用は食い物にされます。
転売屋は自分が買ったことで本来欲しい人へ届くのを一時的に邪魔し、
それが積み重なって流通をせき止めて妨害しているっていう社会的罪をおっている自覚がない。
彼らのような利己的な無知が現代社会の問題の原因になっています。