現在のA氏はかつてなく「上機嫌」で働いているという。前出の吹田徳洲会病院のスタッフが言う。

 「今回の報道で、『何があろうと病院は絶対にA先生を守る』という確約が得られたからでしょう。
 現場では、リスクの高い患者さんをA先生に回さないようにしています。院長や病院の方針には逆らうことになりますが、すべては患者さんを守るためです」

ところがここにきて、事態は大きな展開を見せようとしている。警察が本格的に動いたのである。

 捜査関係者が証言する。

 「2019年10月、A医師は赤穂市民病院で75歳女性の頸椎の手術を執刀し、神経を損傷させる事案を起こしています。
 女性は認知症のため、自ら訴訟を提起することはなかったのですが、兵庫県警はこれを悪質だと判断しました。
 2023年1月には捜査一課が赤穂署内に専従捜査班を立ち上げ、慎重に捜査を進めてきた。そしてこの5月、A医師が業務上過失傷害の疑いで書類送検されたのです」

 5月某日、記者が帰宅したA氏を直撃すると、こう答えた。

 「記事にはたいへん迷惑しています。書類送検のことは知りません。(他の事案でも)刑事告訴されていますから、いつか必ずされるとは思いますが……」