30年以上にわたって数多くの〝誤審〟を繰り返してきたアンヘル・エルナンデス審判(62)が、28日(日本時間29日)に引退することになった。 

 米全国紙「USA TODAY」(電子版)のボブ・ナイチンゲール記者が27日(日本時間28日)に報じた。同紙はエルナンデス氏を「30年以上にわたって選手、監督、ファンから怒りと憤りを買ってきた極端なベテラン審判員」とした。

 キューバ系アメリカ人である同審判は2017年にMLBを相手取って人種差別訴訟を起こした。

 審判としては1993年にMLBの専任審判に昇格したが、近年は選手や監督から「最悪の審判」と見なされていたという。

 今季もジャッジで大騒動を起こしている。4月12日、レンジャースの新人、ワイアット・ラングフォードが3球連続でストライクゾーンから外れた球で見逃し三振を喫した際には、SNS上で非難を浴びていた。

 エルナンデスは昨シーズン、背中の故障のため10試合しか登板しなかったが、「アンパイア・オーディター」の集計では161のコールが間違っていたという。

 2018年の地区シリーズ、ヤンキース―レッドソックス戦では一塁塁審として3つのコールが覆り、殿堂入り投手のペドロ・マルティネスが中継で酷評。「アンヘルはひどかった。メジャーリーグはアンヘルをどうにかする必要がある。メジャーリーグを何度訴えようが、彼は存在する限り最悪だ」と公に批判した。

 また元ヤンキースの伝説左腕CC・サバシア投手は同試合後、「なぜ彼がこのような試合をジャッジするのか理解できない。彼はいつも悪い。彼は悪い審判だ」とコメントしている。

 一方、当のエルナンデス氏は「USA TODAY」に、「1991年のメジャーリーグでの初試合から始まり、メジャーリーグで審判をするという子供のころからの夢を叶えるという、とても良い経験をさせてもらった。同僚たちとの仲間意識と、その過程で築いた友情を大切にしてきました」と審判人生を振り返っていた。