-広尾晃-『私が考える起死回生の策』
「札幌ドーム」にとって大事なことは「意地を張るのをやめて、現実を見据える」ことだろう。このままいけば、「破綻」の道しかない。筆者は以前から「夏の甲子園を札幌ドームに」と唱えている。昨今の酷暑の中、屋外で行われる夏の甲子園では、選手の健康に及ぼすリスクが高まっている。猛暑は熱中症だけではなく、選手の集中力を奪うため、ケガのリスクも増える。もちろん観客や審判にもリスクがある。ならば、天候や日程変更の影響を受けない札幌ドームで行った方が高校球児の命と健康を守れる。

この際、札幌ドームは選手たちから不評のカーペットのような人工芝を本格的に入れ替えて、夏の時期だけ「札幌甲子園」と名称を改め、高校野球の殿堂にしてはどうか。筆者は本気で思っている。それくらいしないと、道はひらけない。かつて大阪ドーム(現京セラドーム)も、第3セクターの運営会社が破綻して、オリックスグループが支援したのだ。「破綻」の声を聴く前に、民間も含めた「再建スキーム」を構築すべきだろう。現経営陣の「聡明さ」が求められる。