女子野球W杯の決勝が行われ、侍ジャパン女子代表「マドンナジャパン」は2日前のリーグ戦で敗れた米国に11―6で大勝。08年松山大会からW杯7大会連続優勝を決めた。

 W杯連勝記録を39で止められた米国へのリベンジマッチで、日本が12安打11点の猛攻でねじふせた。3回、1死二塁で共同主将の出口彩香(西武ライオンズレディース)の右前打に失策がからんで先制すると、只埜榛奈(東海NEXUS)の適時打に続いて共同主将のもう一人・川端友紀(九州ハニーズ)が右越え2ランを放ちこの回4点。4回にも楢岡美和(九州ハニーズ)、出口、三浦伊織(阪神タイガースWomen)のベテランが3者連続スクイズを決めて3点。5回も4点と試合を決めた。米国も反撃し、先発の清水美佑(巨人)から3回に1点、5回に3点を奪うが、大量点の援護を受けてその後は久保夏葵(平成国際大)、田中露朝(ZENKO)が2点で抑えた。

 「今日の試合が一番良かった。スクイズにしても守備にしても」と振り返った中島梨紗監督は涙。「うれし泣きはなかなかないのですが、川端、出口、三浦、楢岡の涙を見たら、よく頑張ったという思いで」と、自身の選手時代から戦うベテラン勢の活躍に感謝した。若手にも「良い経験をしたと思います。私たちが作り上げてきたことを、どんどん大きくしてつないでくれたら」とたたえた。

 W杯は、08年松山大会、10年ベネズエラ大会、12年カナダ大会、14年宮崎大会、16年釜山大会、18年米国大会と6連覇していたが、その後はコロナ禍による中止や開催間隔の変更もあり、6年ぶりの世界一決定となった。今大会も世界ランキング首位の日本が圧倒的な力をみせながらもリーグ戦では米国に敗退、カナダとは延長タイブレークまでもつれる接戦と苦しんだ。中島監督は、世界のレベルが上がったと指摘して「私たちももっとオーバーフェンスを打てるようにならないといけないし、130キロを投げられるピッチャーがどんどん出てくるレベルにならないと。今後、勝ち続けていくには、もっと難しくなると思う」と課題を挙げた。