> アメリカで中国語やロシア語、フランス語を勉強している。学生たちは、それぞれ学ぶ対象の文化や言語を大人のものとしてとらえている。ところが私の受け持つ学生は、全員とは言いませんが、記憶の最初期にある『ポケモン』や『セーラームーン』を通して日本とつながっているのです。アメリカのフランス語専攻の学生の夢は大人っぽさへの憧れでもあって、たとえばパリに住んでセーヌ左岸のカフェでワインを飲みながらカミュを読んで、というイメージです。一方、日本語専攻の学生の多くは、何か無意識のレベルで、日本で勉強したら自分の子ども時代をもう一度追体験できるのではないかと夢想しているフシがあります。