現在4代目の杉山衛氏が切り盛りする「銀座寿司幸本店」は押しも押されもせぬ、日本を代表する江戸前寿司の名店である。

今でこそ珍しくもなくなったが、寿司にワインを合わせるという試みをいち早く始めたのが杉山氏なのである。

「2万円のワインを1本開けてもらえば、2万円の利益が出るんですよ。
寿司を握って、2万円の利益を出そうと思ったら、どれくらいの寿司を握らなければならないと思う?」
と杉山氏から聞かれ、「5万円」と答えると、
「そんな寿司屋は1週間で潰れるよ」と笑われた。

寿司の利益率は7~6割。
つまり、売り上げベースで15万~20万円握らないと、2万円の利益は出ないのだという。