ある日のカフェ「ラビットハウス」、仕事中のワイさんに対してチノちゃんが声をかけた。
「ワイさん、今日はいつもより元気ないですね?何かあったんですか?」
それを聞き返事に困るワイさん。普段のようにカフェの注文を取りに行く体力が残っておらず、疲れ切った顔をしていた。
「えーっとなあ・・・実は昨日チノちゃんに手コキしてもらってからずっとこんな感じや」
「そうですか。それは失礼しました。休憩を取りながら仕事しましょう」
チノちゃんの提案に従い、ワイさんとチノちゃんは交代で休憩を取ることにした。その間にココアさんもカフェへ駆けつける。
「あれ?ワイさん大丈夫なんですか!?」
顔色の悪いワイさんを見て驚くココアさん。
「実は昨日、チノちゃんに手コキしてもらった後ずっとこんな感じやねん」
正直に話すワイさん。ココアさんも困り顔だ。
「それは・・・うーん、チノちゃん?あんまりいつも以上に強くしてないよね?」
心配するココアさんがチノちゃんのほうを見ると、少し申し訳無さそうに返事をした。
「・・・本当に申し訳ありません。私よりも下の存在であるワイさんがこれほどまで疲労するとは思わず」
敬語でそう言い切られ、ココアさんもため息をつくしかなかった。
その後も休み時間に入り、何度か交代しながら仕事を続けるものの、ワイさんは回復の兆しを見せない。むしろどんどん疲れて行くばかりだった。
「チノちゃん・・・また頼めるか?」
「うるさいですね・・・わかりました、少し手加減をしますね」
そう言って笑顔で答えるチノちゃん。だがワイさんは既に限界寸前であり、この後自分がどうなるかもわからずただただ祈るしかなかった。
「じゃあ・・・お願いします」
そう言ってチノちゃんに手を引かれ、バックヤードへと消えるワイさん。ココアさんは何もできず立ち尽くすしかなかった。
「大丈夫?」
そう声をかけられても答えられず、ただ唖然と立ちつくすことしかできないココアさんであったが、程無くしてバックヤードの方で爆発音が聞こえた。
「・・・まあ、ワイさんも昔は元気だったと思うし」
そう呟いて、ココアさんも仕事へと戻るのであった。
(終)