これまでの50号ホームランボールに関する経緯を簡単にまとめると、ホームランボールを最初に獲得したと思われるファン(=A)は当初、球団側に売却を求められたものの拒否(球団側は否定)し、大手オークション会社で即出品した。

 事態がややこしくなったのは、当事者が「A」と球団側だけでなくなったことだ。

 “最初に獲ったのは自分だ”と主張する少年を含むグループ(=B)、さらに別の人物(=C)も現れた。彼らが「A」やオークション会社に対して、ボール売却などの差し止めを求めて、州の地方裁判所に訴えを起こすカオスな状況となっている。

 そのような状況の中でも、オークションは10月8日現在、手数料込みで183万ドル(約2億7084万円)という高値で今も進行中だ(終了は日本時間10月24日)。

 詳細な訴状や状況などを把握することは難しい。とはいえ、こんな騒動を大谷自身が望んでいることではない。

 ある日本人社長が「本人に返す」ことを目標に入札しているようだが、匿名で落札して球団に寄付という形を取らない限り、“売名行為”との指摘が起きることも予測された。少なくとも今の状況で落札したとして、それほど高額なものを大谷サイドが受け取るのも難しくなるのでは、というのが正直な感想だ。

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