韓国の法廷で卵やペットボトルを投げつける暴力行為、3年間で90件超…歯ブラシで弁護人の首刺した事例も
10/12(土) 16:05
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 韓国では凶器を振り回したり、卵やペットボトルを投げつけたりするなど、法廷での暴力事例がこの3年間で90件余りあったことが分かった。最近裁判中に被告人を殺害しようとした事件まで起きると、大法院法院行政処は今月2日、「法廷保安強化のための総合対策」を発表した。

 8月28日にはソウル南部地裁で仮想資産詐欺事件で裁判を受けていた会社経営者が傍聴席にいた詐欺被害者に凶器で首を刺される事件が発生した。メディアでこの殺人未遂事件が報じられ、裁判所のセキュリティー問題が指摘された。一週間前の8月21日には、大田地裁でも法廷で被告が自身の国選弁護人を攻撃した。被告は隠し持っていた歯ブラシで弁論中の弁護人の首を襲撃し、長さ8センチの傷を負わせた。

 判事・検事を狙った暴力事件も起きている。2021年7月、光州地裁の損害賠償訴訟で裁判長が判決を下すと、それに怒った利害関係者が暴言を吐きながら、判事に携帯電話を投げつけ肩にぶつかった。同年5月、仁川地裁では被告が検事に向かってふたが開いたペットボトルを投げつけた。

 裁判前後に救急患者が発生することも過去3年間で約130件あった。判決の言い渡しを受けるために出廷した被告が法廷の廊下で突然心停止状態となったほか、証人として出廷した被害者が裁判所のトイレで命を絶とうとしたこともあった。

 全国の裁判所は8月の凶器による襲撃事件以降、法廷に透明な仕切りを設置したほか、保安管理隊員にガス銃を携帯させるなど個別の措置を取っている。