日本一、遭難者が多い山は富士山でも日本アルプスでもない。なんと標高599メートルの高尾山(東京都)だ。昨年の遭難は100件を超える。紅葉シーズンを迎え、入山者が増える。身近な山で何が起こっているのか。

 警察庁によると、23年、山岳遭難者が最も多かったのは高尾山(133人)で、2番目が富士山(97人)だった。同年、高尾警察署管内で発生した遭難は約110件。21年は約70件。2年で57%も増加した。

「高尾山なら大丈夫だと思っていた」「登ってみたら、思ったよりきつかった」「下っている途中で足が動かなくなった」――。

 これらは高尾山で、自力では下山できなくなり、救助された人たちの声だ。