A子さんが、橘菊太郎劇団を最初に観劇したのは9年前のことだった。

「私がスーパー銭湯に行ったとき、たまたまそこで演劇をやっていたのが、橘菊太郎劇団でした。実際に見ると、とてもきれいで驚きました。観劇後にその場で食事をしていたら、役者さんから『お客さんたちを集めて食事会をするので、あなたも来てみないか』と声をかけられたのです」

A子さんはその後も何度か橘劇団を観に行き、その後の食事会にも参加するようになったという。

「食事会は、劇場でおこなわれることもあれば、別の場所を貸し切って30〜40人で食事することもありました。何度か行って総座長の橘と親しくなってくると、今度は『二次会に来ないか』と誘われるのです。ところが、そこからすべてが変わってしまいました……」