世界の平均気温が産業革命前より、1.5度上がると地球の気候は非常に危険な状況になると多くの研究者が指摘していることをご存じでしょうか。 偏西風の蛇行も黒潮の状況も二酸化炭素を削減すれば、その分だけ元に戻る可能性はありますが、平均気温が1.5度超えてしまったら、気候変動は暴走すると考えられています。 どんなに二酸化炭素を削減しても、異常な気象は緩和されず、後戻りできない状況になってしまうのです。

この1.5度の境界を臨界点、英語ではティッピングポイント(tipping point)と言いますが、実は既に1.4度を超えています。 残りはたった0.1度と崖っぷちの状況ですが、日本の多くの人はそれを知らない。 中には、地球の気候は氷河期に向かっているから、焦って温暖化対策を進める必要はないと主張する人もいます。

確かに、地球の気候は氷河期と間氷期(気候が比較的温暖な時期)がありますが、これは10万年という長いスケールで繰り返されているものです。 間氷期に入った時期は縄文時代なので、そういう意味では何万年後には氷河期は来ますが、今起こっている温暖化は時間のスケールが違います。 それどころか、二酸化炭素がこれだけ増えてしまったら、太陽と地球の位置関係で訪れる氷河期もやってこないという説すらあるほどです。

臨界点に到達するタイムリミットは下手したから5年かもしれません。 2年前までは私もこれほどの危機感はありませんでしたが、去年と今年の異常を見る限り、2030年までには何とかすべき問題だと感じています。