堀江貴文「もし僕がソニーの社長ならゲーム事業を止める。ゲームに特化した人材が豊富な任天堂には敵わないので、ソニーも引き際を考えた方がいい」

Q10
もしもソニーの経営に関わるとしたら、何を変えますか?

A.まずはゲーム事業を止めると思います。特にコンシューマーゲーム機には大き
な市場があり、当たれば大きいのですが、その反面、失敗した時のリスクが大きすぎる。
事実、セガはコンシューマーゲーム機で一度ダメになり、アーケードゲーム機に 特化することでなんとか復調しています。
「プレイステーション」シリーズがダメだ、 ということではありませんが、
やはりゲーム専業で、ゲームに特化した人材が豊富な任天堂には敵わないので、ソニーも引き際を考えた方がいい。
また、ゲームの面白さはハードウェアのスペックだけでは決まりません。美麗なグ ラフィックのゲームよりもボードゲームの方が楽しめることもあるし、iPhoneのアプリやモバゲー、GREEなどのケータイサイトが提供するローテクなゲームが人気を集めている現状もあります。
「プレイステーション2」までは上手くいったけれど、ゲーム事業では本来、ソニー の力は活かされないはず。早い段階でマイクロソフトに売れば、いい商売になったと思うのですが。 また、パソコン市場は利益率が低く、大儲けできる世界ではありません。
独自の技術を使っているわけでもないし、「VAIO」のシェアはそれほど大きいわけではないの
で、こちらの事業も海外に売ってしまえばいいのではないかと思います。
テレビ事業に関しても、基幹部品であるプラズマパネルや液晶パネルが商売になっ
ているだけで、率直にいえば、ソニーはその組み立て工場になっています。 ソニーのテレビ事業が高い競争力を保っていたのは、
自社で開発した「トリニトロン」というブラウン管があったためです。デジタル化された薄型テレビの時代においては、ソニーはアイデンティティを発揮できていない。
その他の家電も同様で、僕にいわせれば、すべてリストラの対象になります。
つまり、エレクトロニクスの組み立て産業は、今後中国やインドにますます敵わなくなる。

ではソニーはどこに注力すべきかというと、ソニー・ミュージックエンタテインメ ントやソニー・ピクチャーズエンタテインメントに対してです。
早々にデジタルコン テンツを充実させる体制を整えるべきでした。音楽、映画業界はともにインナーサーク
ルですから、本来ソニーは「iTunes」のようなサービスも立ち上げやすかった。
また、ソニーファイナンスなどの金融部門も力を入れていい。いずれにしても、事業を絞ってスマート化させる必要があります。
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