そこでアリシア銀座法律事務所の竹森現紗弁護士に、9000万円という示談金が支払われる一般的な背景について聞いた。

「一般的に9000万円の示談金はかなり巨額です。人が亡くなるなど、生死に関わるような場合や、高度な障害が残って就業ができなくなるなどの場合が考えられます。
これまで高い収入を得ていた人が働けなくなってしまったような場合には、示談金が高額になるケースもあります」

ケースは異なれど、いずれにせよ9000万円ほどの示談金を支払うのは“人生を左右する”レベルの何かがあったということのようだ。いっぽうで、こんな事情がある場合も。

「もしくは、被害届を出されたくない、または取り下げてほしいなど、どうしても内々に解決したくて相手に納得してもらうためなど、いろいろな状況を考慮して、裁判では認められないような相場よりも高い金額を支払って解決することはあり得ると思います」(竹森弁護士)