B-29は、高空を飛行する際も機内で酸素マスクを装着する必要のない与圧室、銃手の勘で未来位置を予測していたそれまでの機銃照準器に代えて、全てを自動で算定する射撃管制コンピュータ、雲の上からでも漆黒の闇夜でも正確に目標に爆弾を命中させられる爆撃レーダー、闇夜でも敵機を捕捉可能な夜間射撃管制レーダーを搭載。まさに第二次大戦中の最先端技術の粋を集めた航空機となった。

 全ての資源の不足に陥った日本が、たんぽぽなどの野草を食料の一部とし、松の根から燃料の松根油を抽出、女子供に竹槍を持たせて本土決戦を戦おうとしていた時に、このような「未来からやって来た爆撃機」を量産できるアメリカという国の国力には、今更ながら驚かされる。