昨季限りで楽天を退団して巨人に移籍した田中将大投手(36)は、初日から昨季菅野を復活させた久保康生巡回投手コーチ(66)と投球フォーム改造に乗り出した。

 ひたすらネットに白球を投げ込んだ。1時間を超え、球数200球以上。カゴ一杯に入ったボールをすっからかんにし、一度集めてはまた投げた。野球少年のように無邪気な笑顔を浮かべ、「疲れました。(1時間以上も)そんなにやってました?」。時間を忘れるほど夢中で腕を振れた。

 マンツーマンで指導した久保コーチは、ブルペンの傾斜を逆に使って投げさせるなど引き出しを駆使し、右腕のフォームにメスを入れた。

 改善ポイントは横になっていた体の回転を縦にすること。「勝っている時期はやっぱりすごく正しい」と田中将のNPB時代のビデオを見返した久保コーチは楽天時代の13年に24勝0敗を挙げたフォームを理想とする。右腕も「昔は自然とできていた部分が少しずつ崩れて大きな崩れになっている」と同コーチと同様に近年の不調の要因を分析した。