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1それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:25:23.89ID:YAtSMp0Z0
タイトル「コートに刻む証明」

雨の音が遠くで聞こえていた。教室の窓から見える校庭は薄暗く、放課後の静けさに包まれていた。中学3年生の春、猫宮は机に突っ伏して、ぼんやりと外を眺めていた。彼女の小さな手には、使い込まれたテニスラケットが握られていた。グリップテープは擦り切れ、弦は少し緩んでいる。それでも、猫宮にとっては大切なものだった。
「ねえ、猫宮。部活行かないの?」
隣の席のクラスメイトが声をかけてきた。明るい声に、猫宮は少しだけ顔を上げた。
「……行くよ。もう少ししたら」
「ふーん。テニス部って地味だよね。何か面白いことあるの?」
その質問に、猫宮は答えられなかった。ただ黙ってラケットを見つめ、立ち上がった。鞄を肩にかけ、教室を出る。背後でクラスメイトの笑い声が聞こえたが、気にしないようにした。ずっとそうやってきたから。

校舎の裏にあるテニスコートに向かう道は、桜の木々が並ぶ細い小道だった。春の終わり、新緑が鮮やかで、風が吹くたびに葉が揺れた。猫宮は歩きながら、自分の足音を数えていた。一歩、二歩、三歩。規則正しいリズムが、頭の中のざわつきを少しだけ落ち着かせてくれた。
テニス部に入ったのは、半年前のことだ。中学1年生の時、姉が事故で死んでから、猫宮の生活は色を失っていた。両親は口をきかなくなり、家の中は冷え切っていた。姉がいた頃は、テニスの大会でトロフィーを持ち帰るたび、家族の笑顔があった。だが、今は誰も笑わない。猫宮はただ、姉が残したラケットを手に持つことしかできなかった。
67それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:43:19.57ID:YAtSMp0Z0
試合後、体育館の外で部員たちが優勝の喜びを分かち合っていた。猫宮は水を飲みながら、涼と並んで座っていた。
「涼先輩、私、決勝でも冷静でいられたよ。仲間がいてくれたから、怖くても頑張れた」
「うん、猫宮、ほんと強くなったよ。私も猫宮がいてくれるから、全力で戦えた。一緒に優勝できて、最高だね」
涼の言葉に、猫宮は頷いた。仲間との約束が、大きな勝利に繋がった。
その時、顧問が部員たちに話しかけた。
「よくやった。お前ら、県大会への切符を手に入れたぞ。だが、ここからが本当の勝負だ。桜乱がいる。芽吹がいる。あいつらに勝つには、もっと強くなれ。お前らなら、できるはずだ」
顧問の声に、猫宮は胸を高鳴らせた。芽吹という名前が、遠くで響いていた。でも、今は仲間と一緒に掴んだ優勝が、彼女を支えていた。
68それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:43:32.52ID:YAtSMp0Z0
家に帰り、猫宮は姉のラケットを手に持った。弦を指で弾くと、かすかな音が響いた。
「お姉ちゃん、私、仲間と一緒に優勝したよ。涼先輩との約束、守れた。少しだけ、強くなれたんだ」
窓の外では、夏の夜空に星が瞬いていた。猫宮はその光を見ながら、目を閉じた。地区予選優勝というこの日が、彼女の新たな約束の始まりだった。
69それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:43:56.15ID:YAtSMp0Z0
8月初旬、夏休みが本格的に始まった。明星中学校の女子テニス部は、地区予選優勝の余韻に浸りながらも、県大会に向けて動き始めていた。この日は練習が休みで、猫宮は家で静かに過ごしていた。部屋の窓から見える夏空は青く、遠くで蝉の声が響いていた。
猫宮はベッドに座り、姉のラケットを手に持っていた。弦を指で弾くと、かすかな音が部屋に響いた。地区予選での試合が頭をよぎる。初戦の緊張、準決勝の壁、決勝の勝利。涼との信頼、氷華の言葉、顧問の指導。すべてが、彼女をここまで連れてきてくれた。
「お姉ちゃん、私、優勝したよ。仲間と一緒なら、こんなこともできるんだね」
その時、スマホが鳴った。画面を見ると、涼からのメッセージだった。
「猫宮、明日みんなで集まるよ! 優勝のお祝いしよう! 来てね!」
猫宮は笑顔で返信を打ち、立ち上がった。次の目標が、すでに彼女の胸を熱くしていた。
70それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:44:18.17ID:YAtSMp0Z0
翌日、部員たちは学校近くの公園に集まった。木陰にシートを広げ、ジュースやお菓子が並んでいた。涼が楽しそうに準備をし、飛鳥が笑いながらお菓子を配っていた。氷華は少し離れたベンチに座り、静かにみんなを見ていた。
「猫宮、来た! ほら、これ食べて!」
涼が缶ジュースを渡してくると、猫宮は笑って受け取った。
「ありがとう、涼先輩。こんなお祝い、初めてだよ」
「地区優勝だもん、祝わないとね! 猫宮と一緒に勝てて、ほんと嬉しいよ」
涼の言葉に、猫宮は胸が温かくなった。仲間と過ごす時間が、こんなに楽しいなんて知らなかった。
その時、飛鳥が近づいてきて、笑いながら言った。
「猫宮、決勝の最後、あのボレーすごかったよ。涼と息ピッタリだったね」
「え、ありがとうございます……飛鳥先輩にもたくさん助けてもらいました」
「いいって、私も楽しかったし。次は県大会だよ。もっと強くなるよ、みんなで!」
飛鳥の明るい声に、猫宮は頷いた。チーム全体が、一つの目標に向かっていた。
71それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:44:39.15ID:YAtSMp0Z0
少し遅れて、顧問と氷華が一緒にやってきた。顧問は珍しく私服で、手には紙袋を持っていた。
「お前ら、騒がしいな。ほら、これ食え。優勝のご褒美だ」
袋から出てきたのは、ケーキだった。部員たちが歓声を上げ、涼が切り分けるのを手伝った。猫宮は小さなケーキを手に持つと、顧問に目を向けた。
「顧問、ありがとうございます。私、こんなの初めてで……」
「礼なんていい。お前らが頑張った結果だ。私も昔、仲間とこうやって祝ったことがあるよ。懐かしいな」
顧問の声に、過去の影がちらついた。猫宮はそっと尋ねた。
「顧問、プロの時って、どうだったんですか?」
顧問は一瞬目を細め、それから静かに答えた。
「辛かったよ。才能がなくて、結果が出せなくて。でも、仲間がいたから続けられた。お前らを見てると、あの頃を思い出す」
その言葉に、猫宮は胸が熱くなった。顧問も、自分と同じように仲間を頼りにしていたんだ。
氷華が立ち上がり、静かに言った。
「県大会はもっと厳しいぞ。桜乱がいる。芽吹がいる。私があいつに勝つには、お前らが必要だ。頼むぞ」
氷華の言葉に、部員たちが静かに頷いた。猫宮は氷華を見つめ、心の中で決意を固めた。
「氷華先輩、私、頑張ります。一緒に県大会、勝ちたいです」
「うん。期待してるぞ、猫宮」
氷華が小さく笑うと、チーム全体が新たな決意で結ばれた。
72それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:44:54.51ID:YAtSMp0Z0
その夜、猫宮は部屋でラケットを手に持ったまま、涼からもらった動画を見ていた。芽吹の試合映像だ。彼女の鋭いショット、コートを支配する動き、冷たい目。すべてが圧倒的だった。
「この人が、氷華先輩のライバルなんだ……」
猫宮はスマホを置き、目を閉じた。芽吹という存在が、遠くで大きく感じられた。でも、同時に、仲間と一緒に戦えば、もしかしたら届くかもしれない。そんな希望が、胸に灯っていた。
「お姉ちゃん、私、次のコートに向かうよ。仲間と一緒に、もっと強くなるんだ」
窓の外では、夏の夜風がカーテンを揺らしていた。猫宮はその音を聞きながら、ラケットを抱きしめた。県大会への道が、彼女の新たな一歩だった。
73それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:44:58.43ID:uh7hqkWcM
そもそも雨降ってるのに校舎裏のテニスコート行くって変やろ
雨の中でテニスしてんのかよ
カッパの高校かよ
74それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:45:09.91ID:YAtSMp0Z0
翌日、テニスコートでの練習が再開した。顧問が部員たちを集め、県大会に向けた計画を伝えた。
「地区予選はいい結果だった。だが、県大会は別だ。強豪が揃ってる。特に桜乱の芽吹。あいつは怪物だ。お前ら、もっと強くなれ。ここからが本当の勝負だ」
顧問の声に、猫宮は胸を高鳴らせた。芽吹という名前が、頭の中で響いた。でも、今は仲間と一緒にいるこの時間が、彼女を支えていた。
練習が始まり、猫宮は涼とペアを組んでラリーを続けた。ボールを打つたび、仲間との約束が聞こえた。
「涼先輩、私、県大会でも勝ちたい。一緒に頑張ろうね」
「うん、猫宮と一緒なら、どこまででも行けるよ。一緒に勝とう!」
涼の笑顔に、猫宮も笑った。次のコートが、彼女たちを待っていた。
75それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:45:36.95ID:YAtSMp0Z0
8月中旬、夏休みの練習が本格化した。明星中学校のテニスコートでは、県大会を目前に控えた女子テニス部の部員たちが汗を流していた。地区予選優勝から数日が経ち、チーム全体に新たな目標への意欲が満ちていた。猫宮はラケットを手に、涼とペアを組んでラリー練習に励んでいた。
「猫宮、もっと足を動かして! 県大会じゃ、スピードが命だよ!」
涼の声に、猫宮は頷き、ボールを追いかけた。右へ左へ、コートの端から端まで走り、ラケットを振る。息が上がりながらも、彼女は笑顔を浮かべていた。地区予選での勝利が、彼女に少しだけ余裕を与えていた。
「涼先輩、私、だんだん慣れてきたよ。こうやって動くの、楽しいね」
「うん、猫宮、動きが軽くなってるよ。県大会でも、この調子でいこう!」
涼の笑顔に、猫宮も笑った。仲間とのラリーが、彼女の心を軽くしていた。
76それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:45:50.20ID:YAtSMp0Z0
練習の合間、コートの脇で水を飲んでいると、氷華が近づいてきた。彼女はラケットを手に持ったまま、猫宮の隣に立った。
「お前、地区予選でいい試合してたよな。県大会じゃ、もっと強い相手が待ってる。準備できてるか?」
「えっと……まだ怖いけど、氷華先輩や涼先輩と一緒なら、頑張れる気がします」
猫宮の言葉に、氷華は小さく頷いた。
「ならいい。あの芽吹って奴、私が倒したい相手だ。お前らにも頼るぞ」
「はい、氷華先輩! 私、力になります!」
猫宮が笑うと、氷華は静かに目を細めた。チーム全体が、県大会への決意で繋がっていた。
77それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:46:07.50ID:YAtSMp0Z0
その日の練習後、顧問が部員たちを集めた。夏の陽射しが和らぎ、コートに長い影が伸びていた。
「県大会まであと10日だ。明日から、実戦形式の練習を増やす。お前ら、地区予選の勢いをそのまま持っていけ。だが、油断するな。県じゃレベルが違うぞ」
顧問の声に、部員たちが身を引き締めた。彼女は腕を組み、鋭い目で全員を見回した。
「特に桜乱の芽吹。あいつは怪物だ。だが、倒せない相手じゃない。お前ら、ここまでやってきたことを信じろ。猫宮、涼、ダブルスの軸になれよ」
「はい!」
猫宮と涼が声を揃えると、顧問は小さく笑った。
「猫宮、お前、地区予選で強くなったな。だが、まだだ。もっと自分を信じろ。お前なら、もっとやれる」
「ありがとうございます、顧問……頑張ります!」
猫宮は胸が熱くなりながら、頭を下げた。顧問の言葉が、彼女に新たな力を与えていた。
78それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:46:11.73ID:lwTdRHpi0
>>66
試合終わったら姉への弾き語りが始まるのシュールだよな
そんでそれ終わったら試合やし
79それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:46:23.55ID:YAtSMp0Z0
翌日、実戦形式の練習が始まった。猫宮と涼のペア対、氷華と飛鳥のペア。試合が始まると、氷華の鋭いサーブが猫宮のコートに飛んできた。
「猫宮、右!」
涼の声に、猫宮は右に飛びついた。なんとかラケットに当てて返すが、飛鳥がすぐにスマッシュを決めてくる。序盤は圧倒され、猫宮は焦りを感じた。
「ごめん、涼先輩……私がもっと早く動ければ」
「いいよ、猫宮。焦らないで。県大会を想定してやろう。私、猫宮のこと信じてるから」
涼の言葉に、猫宮は深呼吸した。地区予選での感覚を思い出し、自分のリズムを取り戻した。
次のポイントで、氷華のサーブが飛んできた瞬間、猫宮は一歩前に出た。ボールが来るタイミングに合わせてラケットを振り、鋭いリターンを放った。飛鳥が拾うも、涼がネット際で決め、ポイントを取った。
「ナイス、猫宮! その調子だよ!」
涼が叫び、猫宮は笑った。仲間との信頼が、彼女を前に押し出していた。
試合は6-3で負けたが、猫宮は地区予選の時より多くのポイントを取れた。終わった後、氷華が近づいてきて、静かに言った。
「猫宮、反応が良くなってる。県大会でも、その動きを活かせよ」
「はい、氷華先輩! ありがとうございます!」
猫宮が笑うと、飛鳥が肩を叩いてきた。
「猫宮、強くなってるよ。県大会、楽しみだね」
「うん、私も楽しみです!」
チーム全体が、県大会への期待で熱を帯びていた。
80それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:46:42.81ID:YAtSMp0Z0
夜、家で一人、猫宮は姉のラケットを手に持った。弦を指で弾くと、かすかな音が響いた。
「お姉ちゃん、私、県大会に行くよ。仲間と一緒に、もっと強くなりたい」
窓の外では、夏の夜風がカーテンを揺らしていた。猫宮はその音を聞きながら、目を閉じた。芽吹という名前が、頭の中で大きくなっていた。でも、今は仲間と一緒に次のコートに向かうこの時間が、彼女を支えていた。
その夜、猫宮はラケットを抱きしめたまま眠りについた。夢の中で、姉が優しく笑ってくれている気がした。
81それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:46:55.82ID:YAtSMp0Z0
翌日の練習後、涼が猫宮に近づいてきた。
「ねえ、猫宮。県大会の前に、もう一回芽吹の動画見ない? どんな相手か、もっと知っておきたいでしょ」
「うん、見たい。氷華先輩のライバルなんだよね。私、少し怖いけど、楽しみでもあるよ」
涼が持ってきたスマホには、芽吹の試合映像が映っていた。彼女の鋭いショット、コートを支配する動き、冷たい目。すべてが圧倒的だった。
「この人が、桜乱の芽吹か……」
猫宮は画面を見つめながら、胸を高鳴らせた。芽吹という遠い存在。でも、仲間と一緒なら、戦えるかもしれない。そんな希望が、彼女の心に灯っていた。
県大会まであと10日。猫宮の新たな一歩が、次のコートへと続いていた。
82それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:47:13.78ID:AKSl3k2o0
なんやこの作文
83それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:47:17.60ID:YAtSMp0Z0
8月下旬、夏休みの終わりが近づいていた。明星中学校の女子テニス部は、県大会の会場である県立体育館に到着していた。広いコートの周りは観客や選手で賑わい、地区予選とは比べものにならない緊張感が漂っていた。猫宮はラケットを手に、涼と並んで初戦のコートに向かっていた。
「猫宮、県大会だよ。なんかドキドキしてきたね」
涼が笑いながら言うと、猫宮は少し緊張した顔で頷いた。
「うん……地区予選より人が多くて、怖い。でも、涼先輩と一緒なら大丈夫だよね?」
「うん、一緒なら何とかなるよ。地区予選みたいに、自分のリズムでやろう!」
涼の明るい声に、猫宮は深呼吸して笑った。地区予選での優勝が、彼女に小さな勇気を与えていた。
84それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:47:33.26ID:YAtSMp0Z0
初戦の相手は、県南部の強豪、清水中学。ダブルスのペアは、3年生の小林と2年生の森のコンビだった。顧問が試合前に部員たちを集め、相手の特徴を伝えた。
「清水は県大会常連だ。小林はパワータイプで、森はスピードが武器。地区予選の相手より一段上だ。お前ら、冷静に自分のテニスをやれ。猫宮と涼、ここまで来たんだ。信頼を活かせよ」
「はい!」
猫宮と涼が声を揃えると、顧問は鋭い目で頷いた。氷華がコート脇で静かに立ち、他の部員たちが応援席に陣取った。観客席からのざわめきが響き、コートの空気が熱を帯びていた。
試合開始の笛が鳴り、猫宮と涼がコートに立った。観客の声が一段と大きくなり、猫宮の胸がドキドキした。
「猫宮、私がサーブから行くよ。落ち着いてね!」
涼の声に、猫宮は頷き、ネット際にポジションを取った。涼のサーブが鋭く放たれ、小林が力強く返す。ボールが猫宮の前に来た瞬間、彼女は反射的にボレーを放った。だが、小林のパワーに押され、ボールがネットに引っかかった。
「ごめん、涼先輩……!」
「大丈夫、次だよ! 焦らないで!」
涼の声に、猫宮は気持ちを落ち着けた。地区予選と同じように、信頼が彼女を支えていた。
85それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:47:52.90ID:YAtSMp0Z0
試合は序盤から厳しい展開になった。小林の力強いショットと、森の素早い動きが猫宮と涼を圧倒した。スコアは1-3で清水がリード。猫宮は息を切らしながら、自分の動きに焦りを感じていた。
「地区予選より全然強い……私がもっとしっかりしないと」
その時、コート脇から氷華の声が響いた。
「猫宮、頭使え! 相手の動き見て、冷静にやれ! お前ならできる!」
氷華の言葉に、猫宮はハッとした。冷静に。自分のリズムで。涼と一緒に戦う感覚を思い出し、深呼吸した。
次のゲーム、涼のサーブから再開。小林が返すボールが猫宮の前に来た瞬間、彼女は相手の動きを目で追った。森がネット際に詰めるのを見て、ドロップショットを放った。ボールがネット際に落ち、森が間に合わずポイントを取った。
「ナイス、猫宮! その調子だよ!」
涼が叫び、観客席から拍手が起きた。猫宮は笑顔で頷き、次のポイントに集中した。小林の強烈なショットが飛んできた瞬間、涼が「下がって!」と指示を出し、猫宮が深く返球。涼がネット際で決め、連続ポイントを奪った。
「涼先輩と一緒なら、やれる!」
猫宮の声に、涼が笑った。スコアは3-3に追いつき、試合は中盤戦へ。
86それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:48:19.63ID:YAtSMp0Z0
後半、試合はさらに激しくなった。小林と森のコンビネーションが冴え、長いラリーが続いた。猫宮は疲れを感じながらも、涼の声を頼りに動いた。
「猫宮、左!」
涼の指示に、猫宮は左に飛びついた。森のショットを拾い、涼がロブで返す。小林がスマッシュを狙った瞬間、猫宮は反射的に前に出て、ボレーを放った。ボールが小林の足元をかすめ、コートに落ちた。
「ポイント、明星中!」
審判の声に、猫宮と涼は歓声を上げた。スコアは5-4で明星がリード。最終ゲーム、涼のサーブが決まり、長いラリーが続いた。猫宮は小林の動きを読み、冷静にボールを返した。最後、森の返球がネットに引っかかり、試合が決まった。
「ゲームセット! 明星中、6-4!」
審判の声に、猫宮と涼は同時に抱き合った。コート脇に駆け寄ると、飛鳥が笑顔で迎えた。
「猫宮、涼、県大会初戦突破だよ!」
氷華が近づいてきて、静かに言った。
「よくやった。最後まで粘ったな、猫宮」
「ありがとうございます、氷華先輩!」
猫宮が笑うと、顧問が歩み寄ってきた。
「初戦突破だ。猫宮、涼、県大会でもやれるな。だが、ここからが本番だ。次も勝てよ」
「はい……ありがとうございます!」
猫宮は汗だくの顔で笑った。県大会初戦の勝利が、彼女に新たな自信を与えていた。
87それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:48:40.46ID:YAtSMp0Z0
試合後、体育館の外で部員たちが休憩していた。猫宮は水を飲みながら、涼と並んで座っていた。
「涼先輩、私、県大会でも冷静でいられたよ。地区予選の時みたいに、仲間がいてくれたから頑張れた」
「うん、猫宮、ほんと強くなったよ。私も猫宮がいてくれるから、安心して戦えた。一緒に勝てて嬉しい」
涼の言葉に、猫宮は頷いた。仲間との信頼が、県大会の幕開けを勝利で飾ってくれた。
その時、顧問が部員たちに話しかけた。
「次は2回戦だ。県大会はここからが正念場だ。桜乱がいる。芽吹がいる。あいつらに勝つには、もっと強くなれ。お前らなら、できるはずだ」
顧問の声に、猫宮は胸を高鳴らせた。芽吹という名前が、遠くで響いていた。でも、今は仲間と一緒に勝ち進むこの瞬間が、彼女を支えていた。
88それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:48:51.71ID:YAtSMp0Z0
家に帰り、猫宮は姉のラケットを手に持った。弦を指で弾くと、かすかな音が響いた。
「お姉ちゃん、私、県大会でも勝ったよ。仲間と一緒なら、もっと遠くまで行ける気がする」
窓の外では、夏の夜空に星が瞬いていた。猫宮はその光を見ながら、目を閉じた。県大会の初戦を突破したこの日が、彼女の新たな幕開けだった。
89それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:49:10.85ID:b8OyfbfE0
流れ変わったな
90それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:49:34.15ID:uh7hqkWcM
>小林の強烈なショットが飛んできた瞬間、涼が「下がって!」と指示を出し、猫宮が深く返球。

時間停止能力者かよ
91それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:49:36.37ID:YAtSMp0Z0
8月下旬、県大会2日目。明星中学校の女子テニス部は、県立体育館のコートで2回戦に臨んでいた。初戦の勝利から一夜明け、部員たちの間に静かな緊張感と期待が混じり合っていた。猫宮はラケットを手に、涼と並んでコートに向かっていた。
「猫宮、2回戦だよ。初戦勝ったからって気を抜かないでね」
涼が軽い口調で言うと、猫宮は少し緊張した顔で頷いた。
「うん……わかってる。涼先輩と一緒なら、頑張れるよ」
「うん、私も猫宮と一緒なら負けないよ。一緒に勝とう!」
涼の笑顔に、猫宮も小さく笑った。初戦の勝利が、彼女に新たな勇気を与えていた。
92それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:49:57.26ID:YAtSMp0Z0
2回戦の相手は、県中部の強豪、藤沢中学。ダブルスのペアは、3年生の石川と2年生の松本のコンビだった。顧問が試合前に部員たちを集め、相手の特徴を伝えた。
「藤沢は県大会で上位に食い込むチームだ。石川はコントロールが抜群で、松本は持久力が武器。ラリーが長くなるぞ。お前ら、冷静に自分のテニスをやれ。猫宮と涼、初戦の感覚を活かせ」
「はい!」
猫宮と涼が声を揃えると、顧問は鋭い目で頷いた。氷華がコート脇でラケットを手に持ち、他の部員たちが応援席に陣取った。観客席からの声援が響き、コートの空気が一段と熱くなった。
試合開始の笛が鳴り、猫宮と涼がコートに立った。観客のざわめきが耳に入り、猫宮の胸が再び高鳴った。
「猫宮、私がサーブから行くよ。自分のリズムでね!」
涼の声に、猫宮は頷き、ネット際にポジションを取った。涼のサーブが放たれ、石川が正確に返す。ボールが猫宮の前に来た瞬間、彼女は冷静にボレーを放った。ボールがネットを越え、松本が素早く拾ってロブを上げてきた。涼がスマッシュを狙うが、石川が巧みに返し、ポイントを奪われた。
「ごめん、涼先輩……!」
「大丈夫、次だよ! 焦らないで!」
涼の声に、猫宮は気持ちを切り替えた。信頼が、彼女をコートに立たせていた。
93それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:50:17.61ID:YAtSMp0Z0
試合は序盤から厳しい展開になった。石川のコントロールショットと、松本の粘り強いラリーが猫宮と涼を圧倒した。スコアは2-4で藤沢がリード。猫宮は息を切らしながら、自分の動きに焦りを感じていた。
「初戦より全然強い……私がもっと頑張らないと」
その時、コート脇から氷華の声が響いた。
「猫宮、相手を見て動け! 冷静になれ! お前ならやれる!」
氷華の言葉に、猫宮はハッとした。冷静に。自分のリズムで。涼と一緒に戦う感覚を思い出し、深呼吸した。
次のゲーム、涼のサーブから再開。石川が返すボールが猫宮の前に来た瞬間、彼女は相手の動きを目で追った。松本がベースラインに下がるのを見て、鋭いドロップショットを放った。ボールがネット際に落ち、松本が間に合わずポイントを取った。
「ナイス、猫宮! その調子だよ!」
涼が叫び、観客席から拍手が起きた。猫宮は笑顔で頷き、次のポイントに集中した。石川のコントロールショットが飛んできた瞬間、涼が「下がって!」と指示を出し、猫宮が深く返球。涼がネット際で決め、連続ポイントを奪った。
「涼先輩と一緒なら、どんな相手でも戦える!」
猫宮の声に、涼が笑った。スコアは4-4に追いつき、試合は終盤へ。
94それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:50:34.04ID:YAtSMp0Z0
最終ゲーム、緊張感がコートを包んだ。涼のサーブが決まり、長いラリーが続いた。猫宮は松本の動きを読み、冷静にボールを返した。石川がコントロールショットで揺さぶってきたが、涼が素早くカバー。最後、松本の返球がネットを越えた瞬間、猫宮は前に出て、鋭いボレーを放った。ボールが石川の足元をかすめ、コートに落ちた。
「ゲームセット! 明星中、6-4!」
審判の声に、猫宮と涼は同時に歓声を上げた。抱き合って喜びを分かち合い、コート脇に駆け寄った。
「猫宮、涼、2回戦突破だよ!」
飛鳥が笑顔で迎え、氷華が静かに言った。
「よくやった。最後まで頭使えてたな、猫宮」
「ありがとうございます、氷華先輩!」
猫宮が笑うと、顧問が歩み寄ってきた。
「2回戦突破だ。猫宮、涼、県大会でも安定してきたな。だが、次はもっと強いぞ。気を抜くな」
「はい……ありがとうございます!」
猫宮は汗だくの顔で笑った。2回戦の試練を乗り越えた喜びが、彼女にさらなる自信を与えていた。
95それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:50:49.69ID:YAtSMp0Z0
試合後、体育館の外で部員たちが休憩していた。猫宮は水を飲みながら、涼と並んで座っていた。
「涼先輩、私、2回戦でも冷静でいられたよ。地区予選の時みたいに、仲間がいてくれたから頑張れた」
「うん、猫宮、ほんと頼もしくなったよ。私も猫宮がいてくれるから、全力で戦えた。一緒に勝てて嬉しい」
涼の言葉に、猫宮は頷いた。仲間との信頼が、試練を乗り越えさせてくれた。
その時、顧問が部員たちに話しかけた。
「次は3回戦だ。県大会はここからが正念場だ。桜乱が近づいてる。芽吹がいる。あいつらに勝つには、もっと強くなれ。お前らなら、できるはずだ」
顧問の声に、猫宮は胸を高鳴らせた。芽吹という名前が、遠くで響いていた。でも、今は仲間と一緒に勝ち進むこの瞬間が、彼女を支えていた。
96それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:51:01.31ID:YAtSMp0Z0
家に帰り、猫宮は姉のラケットを手に持った。弦を指で弾くと、かすかな音が響いた。
「お姉ちゃん、私、2回戦も勝ったよ。仲間と一緒なら、どんな試練でも越えられる気がする」
窓の外では、夏の夜空に星が瞬いていた。猫宮はその光を見ながら、目を閉じた。県大会2回戦を突破したこの日が、彼女の新たな試練の証だった。
97それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:51:25.64ID:YAtSMp0Z0
8月下旬、県大会3日目。明星中学校の女子テニス部は、県立体育館のコートで3回戦に臨んでいた。2回戦までの勝利で、部員たちの間に自信が育ちつつあったが、県大会のレベルが上がるにつれ、重圧も増していた。猫宮はラケットを手に、涼と並んでコートに向かっていた。
「猫宮、3回戦だよ。ここまで来たんだから、絶対勝とうね」
涼が笑顔で言うと、猫宮は少し緊張した顔で頷いた。
「うん……でも、相手が強くなってるって感じるよ。涼先輩と一緒なら、頑張れるよね?」
「うん、一緒なら何とかなるよ。自分のリズムで戦おう!」
涼の明るい声に、猫宮は深呼吸して笑った。2試合を勝ち抜いた経験が、彼女に小さな力を与えていた。
98それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:51:45.64ID:YAtSMp0Z0
3回戦の相手は、県西部の強豪、旭中学。ダブルスのペアは、3年生の佐々木と3年生の中村のコンビだった。顧問が試合前に部員たちを集め、相手の特徴を伝えた。
「旭は県大会でベスト8常連だ。佐々木はパワーとスピードの両立がすごいし、中村は戦略的なプレーが得意。簡単には勝てないぞ。お前ら、冷静に自分のテニスをやれ。猫宮と涼、信頼を形にしろ」
「はい!」
猫宮と涼が声を揃えると、顧問は鋭い目で頷いた。氷華がコート脇で静かに立ち、他の部員たちが応援席に集まった。観客席からの声援が一段と大きくなり、コートの空気が熱を帯びていた。
試合開始の笛が鳴り、猫宮と涼がコートに立った。観客のざわめきが耳に入り、猫宮の胸が激しく打った。
「猫宮、私がサーブから行くよ。落ち着いてね!」
涼の声に、猫宮は頷き、ネット際にポジションを取った。涼のサーブが放たれ、佐々木が力強く返す。ボールが猫宮の前に来た瞬間、彼女は反射的にボレーを放った。だが、佐々木のパワーに押され、ボールがコート外に飛んだ。
「ごめん、涼先輩……!」
「大丈夫、次だよ! 焦らないで!」
涼の声に、猫宮は気持ちを落ち着けた。信頼が、彼女をコートに立たせていた。
99それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:52:08.10ID:uh7hqkWcM
>あいつらに勝つには、もっと強くなれ。お前らなら、できるはずだ

糞みたいに薄っぺらいアドバイスやな
100それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:52:16.48ID:YAtSMp0Z0
試合は序盤から重い展開になった。佐々木の力強いショットと、中村の頭脳的なポジショニングが猫宮と涼を圧倒した。スコアは1-4で旭がリード。猫宮は息を切らしながら、自分の動きに焦りを感じていた。
「これまでより全然強い……私がもっと冷静にならないと」
その時、コート脇から氷華の声が響いた。
「猫宮、頭使え! 相手の動き見て、冷静にやれ! お前ならできる!」
氷華の言葉に、猫宮はハッとした。冷静に。自分のリズムで。涼と一緒に戦う感覚を思い出し、目を閉じて息を整えた。
次のゲーム、涼のサーブから再開。佐々木が返すボールが猫宮の前に来た瞬間、彼女は相手の動きを目で追った。中村がネット際に詰めるのを見て、鋭いドロップショットを放った。ボールがネット際に落ち、中村が間に合わずポイントを取った。
「ナイス、猫宮! その調子だよ!」
涼が叫び、観客席から拍手が起きた。猫宮は笑顔で頷き、次のポイントに集中した。佐々木の強烈なショットが飛んできた瞬間、涼が「下がって!」と指示を出し、猫宮が深く返球。涼がネット際で決め、連続ポイントを奪った。
「涼先輩と一緒なら、どんな重圧でも戦える!」
猫宮の声に、涼が笑った。スコアは3-4に詰まり、試合は中盤戦へ。
101それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:52:39.84ID:YAtSMp0Z0
後半、試合はさらに激化した。佐々木と中村のコンビネーションが冴え、長いラリーが続いた。猫宮は疲れを感じながらも、涼の声を頼りに動いた。
「猫宮、右!」
涼の指示に、猫宮は右に飛びついた。中村のショットを拾い、涼がロブで返す。佐々木がスマッシュを狙った瞬間、猫宮は反射的に前に出て、ボレーを放った。ボールが佐々木の足元をかすめ、コートに落ちた。
「ポイント、明星中!」
審判の声に、猫宮と涼は歓声を上げた。スコアは5-5で並び、最終ゲームへ。涼のサーブが決まり、長いラリーが続いた。猫宮は佐々木の動きを読み、冷静にボールを返した。中村が戦略的なショットで揺さぶってきたが、涼が素早くカバー。最後、佐々木の返球がネットに引っかかり、試合が決まった。
「ゲームセット! 明星中、7-5!」
審判の声に、猫宮と涼は同時に抱き合った。コート脇に駆け寄ると、飛鳥が笑顔で迎えた。
「猫宮、涼、3回戦突破だよ! すごい試合だった!」
氷華が近づいてきて、静かに言った。
「よくやった。最後まで冷静だったな、猫宮」
「ありがとうございます、氷華先輩!」
猫宮が笑うと、顧問が歩み寄ってきた。
「3回戦突破だ。猫宮、涼、県大会でも強くなってる。だが、次はもっと厳しいぞ。気を抜くな」
「はい……ありがとうございます!」
猫宮は汗と涙で顔を濡らしながら、笑った。3回戦の重圧を乗り越えた喜びが、彼女に深い自信を与えていた。
102それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:52:57.23ID:wethsaxyd
        ,/          }1
       ./し     _ ,.イ7_
      、,.ノ    ̄ ̄   /Zz
    |し             {二
   イ7  |  ヽ      ヘ≦z
   .j{!   レ  ┼┐ヽ     /
   N      ノ J      /
  弋Z7       /      N
   /.        んヘ_ノ   _ヘ
  ./, z=≠  ,ヘ  ,、    、(
./´   }rヘV ∨  `\⌒
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103それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:53:03.86ID:YAtSMp0Z0
試合後、体育館の外で部員たちが休憩していた。猫宮は水を飲みながら、涼と並んで座っていた。
「涼先輩、私、3回戦でも冷静でいられたよ。重かったけど、仲間がいてくれたから頑張れた」
「うん、猫宮、ほんと頼もしくなったよ。私も猫宮がいてくれるから、全力で戦えた。一緒に勝てて嬉しい」
涼の言葉に、猫宮は頷いた。仲間との信頼が、重圧を乗り越えさせてくれた。
その時、顧問が部員たちに話しかけた。
「次は準々決勝だ。県大会はここからが正念場だ。桜乱が近づいてる。芽吹がいる。あいつらに勝つには、もっと強くなれ。お前らなら、できるはずだ」
顧問の声に、猫宮は胸を高鳴らせた。芽吹という名前が、遠くで響いていた。でも、今は仲間と一緒に勝ち進むこの瞬間が、彼女を支えていた。
104それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:53:18.55ID:YAtSMp0Z0
家に帰り、猫宮は姉のラケットを手に持った。弦を指で弾くと、かすかな音が響いた。
「お姉ちゃん、私、3回戦も勝ったよ。仲間と一緒なら、どんな重圧でも越えられる気がする」
窓の外では、夏の夜空に星が瞬いていた。猫宮はその光を見ながら、目を閉じた。県大会3回戦を突破したこの日が、彼女の新たな一歩だった。
105それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:53:34.46ID:YAtSMp0Z0
8月下旬、県大会4日目。明星中学校の女子テニス部は、県立体育館のメインコートで準々決勝を迎えていた。3回戦までの勝利で、部員たちの間に強い自信が育っていたが、県大会の頂点に近づくにつれ、相手のレベルも一段と上がっていた。猫宮はラケットを手に、涼と並んでコートに向かっていた。
「猫宮、準々決勝だよ。ここまで来たんだから、絶対勝とうね」
涼が笑顔で言うと、猫宮は少し緊張した顔で頷いた。
「うん……でも、だんだん怖くなってくるよ。涼先輩と一緒なら、頑張れるよね?」
「うん、一緒なら何とかなるよ。地区予選も県大会も、私たち一緒だったでしょ。今日も自分のリズムでやろう!」
涼の明るい声に、猫宮は深呼吸して笑った。3試合を勝ち抜いた経験が、彼女に小さな覚悟を与えていた。
106それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:53:51.76ID:YAtSMp0Z0
準々決勝の相手は、県北部を代表する強豪、星野中学。ダブルスのペアは、3年生の田中と3年生の高木のコンビだった。顧問が試合前に部員たちを集め、相手の特徴を伝えた。
「星野は県大会でベスト4を狙うチームだ。田中はスピードと正確さが揃ってるし、高木はパワーで押してくる。簡単には勝てないぞ。お前ら、冷静に自分のテニスをやれ。猫宮と涼、ここまで来た信頼を活かせ」
「はい!」
猫宮と涼が声を揃えると、顧問は鋭い目で頷いた。氷華がコート脇で静かに立ち、他の部員たちが応援席に集まった。観客席からの声援が一段と大きくなり、コートの空気が熱気を帯びていた。
試合開始の笛が鳴り、猫宮と涼がコートに立った。観客のざわめきが耳に入り、猫宮の胸が激しく打った。
「猫宮、私がサーブから行くよ。落ち着いてね!」
涼の声に、猫宮は頷き、ネット際にポジションを取った。涼のサーブが鋭く放たれ、田中が素早く返す。ボールが猫宮の前に来た瞬間、彼女は反射的にボレーを放った。だが、高木が力強く打ち返し、ボールがコート外に飛んだ。
「ごめん、涼先輩……!」
「大丈夫、次だよ! 焦らないで!」
涼の声に、猫宮は気持ちを落ち着けた。信頼が、彼女をコートに立たせていた。
107それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:54:06.66ID:YAtSMp0Z0
試合は序盤から厳しい展開になった。田中のスピードと正確なショット、高木のパワフルな攻撃が猫宮と涼を圧倒した。スコアは2-4で星野がリード。猫宮は息を切らしながら、自分の動きに焦りを感じていた。
「これまでよりずっと強い……私がもっと冷静にならないと」
その時、コート脇から氷華の声が響いた。
「猫宮、相手を見て動け! 冷静になれ! お前ならやれる!」
氷華の言葉に、猫宮はハッとした。冷静に。自分のリズムで。涼と一緒に戦う感覚を思い出し、目を閉じて息を整えた。
次のゲーム、涼のサーブから再開。田中が返すボールが猫宮の前に来た瞬間、彼女は相手の動きを目で追った。高木がネット際に詰めるのを見て、鋭いドロップショットを放った。ボールがネット際に落ち、高木が間に合わずポイントを取った。
「ナイス、猫宮! その調子だよ!」
涼が叫び、観客席から拍手が起きた。猫宮は笑顔で頷き、次のポイントに集中した。高木の強烈なショットが飛んできた瞬間、涼が「下がって!」と指示を出し、猫宮が深く返球。涼がネット際で決め、連続ポイントを奪った。
「涼先輩と一緒なら、どんな相手でも戦える!」
猫宮の声に、涼が笑った。スコアは4-4に追いつき、試合は終盤へ。
108それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:54:21.58ID:YAtSMp0Z0
最終ゲーム、緊張感がコートを包んだ。涼のサーブが決まり、長いラリーが続いた。猫宮は田中の動きを読み、冷静にボールを返した。高木がパワーショットで押してきたが、涼が素早くカバー。最後、田中の返球がネットを越えた瞬間、猫宮は前に出て、鋭いボレーを放った。ボールが高木の足元をかすめ、コートに落ちた。
「ゲームセット! 明星中、6-4!」
審判の声に、猫宮と涼は同時に歓声を上げた。抱き合って喜びを分かち合い、コート脇に駆け寄った。
「猫宮、涼、準々決勝突破だよ! すごい試合だった!」
飛鳥が笑顔で迎え、氷華が静かに言った。
「よくやった。最後まで諦めなかったな、猫宮」
「ありがとうございます、氷華先輩!」
猫宮が笑うと、顧問が歩み寄ってきた。
「準々決勝突破だ。猫宮、涼、県大会でも安定してる。だが、次は準決勝だ。もっと強い相手が待ってる。覚悟しろ」
「はい……ありがとうございます!」
猫宮は汗と涙で顔を濡らしながら、笑った。準々決勝の覚悟が、彼女に深い自信を与えていた。
109それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:54:40.28ID:YAtSMp0Z0
試合後、体育館の外で部員たちが休憩していた。猫宮は水を飲みながら、涼と並んで座っていた。
「涼先輩、私、準々決勝でも冷静でいられたよ。強かったけど、仲間がいてくれたから覚悟が持てた」
「うん、猫宮、ほんと強くなったよ。私も猫宮がいてくれるから、全力で戦えた。一緒に勝てて嬉しい」
涼の言葉に、猫宮は頷いた。仲間との信頼が、大きな壁を越えさせてくれた。
その時、顧問が部員たちに話しかけた。
「次は準決勝だ。県大会はここからが正念場だ。桜乱が近づいてる。芽吹がいる。あいつらに勝つには、もっと強くなれ。お前らなら、できるはずだ」
顧問の声に、猫宮は胸を高鳴らせた。芽吹という名前が、遠くで響いていた。でも、今は仲間と一緒に勝ち進むこの瞬間が、彼女を支えていた。
110それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:54:51.84ID:YAtSMp0Z0
家に帰り、猫宮は姉のラケットを手に持った。弦を指で弾くと、かすかな音が響いた。
「お姉ちゃん、私、準々決勝も勝ったよ。仲間と一緒なら、どんな覚悟でも持てる気がする」
窓の外では、夏の夜空に星が瞬いていた。猫宮はその光を見ながら、目を閉じた。県大会準々決勝を突破したこの日が、彼女の新たな覚悟の証だった。
111それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:55:02.68ID:K1byM+Ipd
            ,. 'ニ二ニ、ニニ =、
              l|__j|___|;|___|[__)|  ブロロロロロ
           , '-- 、 - ‐ '';;',:.:l.:l:;::l_       ;´;; ;⌒) ´゙) ;)
          ,〇;|li{{{iIl|:○r::,.=、、::l,´,:‐、l    (,,;;(´⌒;;(´⌒;;(´⌒;;
       i..:.::;i====i:___;.:,jii´i:l_,j_;ji´!」;; ..;;;;(´⌒;(´⌒;;(´⌒;;(´⌒;;)
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112それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:55:06.78ID:YAtSMp0Z0
8月下旬、県大会5日目。明星中学校の女子テニス部は、県立体育館のメインコートで準決勝を迎えていた。準々決勝までの勝利で、部員たちの間に強い結束力と自信が育っていたが、県大会の頂点に近づくにつれ、相手のレベルも格段に上がっていた。猫宮はラケットを手に、涼と並んでコートに向かっていた。
「猫宮、準決勝だよ。ここまで来たんだから、絶対勝とうね」
涼が笑顔で言うと、猫宮は少し緊張した顔で頷いた。
「うん……でも、準決勝ってすごい重く感じるよ。涼先輩と一緒なら、頑張れるよね?」
「うん、一緒なら何とかなるよ。地区予選も県大会も、私たち一緒に戦ってきたでしょ。今日も自分のリズムでやろう!」
涼の明るい声に、猫宮は深呼吸して笑った。4試合を勝ち抜いた経験が、彼女に大きな覚悟を与えていた。
113それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:55:25.16ID:YAtSMp0Z0
準決勝の相手は、県東部の強豪、川崎中学。ダブルスのペアは、3年生の山田と3年生の鈴木のコンビだった。顧問が試合前に部員たちを集め、相手の特徴を伝えた。
「川崎は県大会で優勝を狙うチームだ。山田はスピードとパワーのバランスが抜群で、鈴木は戦略的なプレーで崩してくる。簡単には勝てないぞ。お前ら、冷静に自分のテニスをやれ。猫宮と涼、ここまで来た信頼を形にしろ」
「はい!」
猫宮と涼が声を揃えると、顧問は鋭い目で頷いた。氷華がコート脇で静かに立ち、他の部員たちが応援席に集まった。観客席からの声援が一段と大きくなり、コートの空気が熱気を帯びていた。
試合開始の笛が鳴り、猫宮と涼がコートに立った。観客のざわめきが耳に入り、猫宮の胸が激しく打った。
「猫宮、私がサーブから行くよ。落ち着いてね!」
涼の声に、猫宮は頷き、ネット際にポジションを取った。涼のサーブが鋭く放たれ、山田が素早く返す。ボールが猫宮の前に来た瞬間、彼女は反射的にボレーを放った。だが、鈴木が巧みに返し、山田がパワーショットで決め、ポイントを奪われた。
「ごめん、涼先輩……!」
「大丈夫、次だよ! 焦らないで!」
涼の声に、猫宮は気持ちを落ち着けた。信頼が、彼女をコートに立たせていた。
114それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:55:46.16ID:YAtSMp0Z0
試合は序盤から激しい展開になった。山田のスピードとパワーの融合、鈴木の戦略的なショットが猫宮と涼を圧倒した。スコアは2-4で川崎がリード。猫宮は息を切らしながら、自分の動きに焦りを感じていた。
「準決勝ってこんなに強いんだ……私がもっと頑張らないと」
その時、コート脇から氷華の声が響いた。
「猫宮、相手を見て動け! 冷静になれ! お前ならやれる!」
氷華の言葉に、猫宮はハッとした。冷静に。自分のリズムで。涼と一緒に戦う感覚を思い出し、目を閉じて息を整えた。
次のゲーム、涼のサーブから再開。山田が返すボールが猫宮の前に来た瞬間、彼女は相手の動きを目で追った。鈴木がネット際に詰めるのを見て、鋭いドロップショットを放った。ボールがネット際に落ち、鈴木が間に合わずポイントを取った。
「ナイス、猫宮! その調子だよ!」
涼が叫び、観客席から大きな拍手が起きた。猫宮は笑顔で頷き、次のポイントに集中した。山田のパワーショットが飛んできた瞬間、涼が「下がって!」と指示を出し、猫宮が深く返球。涼がネット際で決め、連続ポイントを奪った。
「涼先輩と一緒なら、どんな頂でも戦える!」
猫宮の声に、涼が笑った。スコアは4-4に追いつき、試合は終盤へ。
115それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:55:58.12ID:YAtSMp0Z0
最終ゲーム、緊張感がコートを包んだ。涼のサーブが決まり、長いラリーが続いた。猫宮は山田の動きを読み、冷静にボールを返した。鈴木が戦略的なショットで揺さぶってきたが、涼が素早くカバー。最後、山田の強烈なショットが飛んできた瞬間、猫宮は前に出て、鋭いボレーを放った。ボールが山田の足元をかすめ、コートに落ちた。
「ゲームセット! 明星中、6-4!」
審判の声に、猫宮と涼は同時に歓声を上げた。抱き合って喜びを分かち合い、コート脇に駆け寄った。
「猫宮、涼、準決勝突破だよ! すごい試合だった!」
飛鳥が笑顔で迎え、氷華が静かに言った。
「よくやった。最後まで頭使えてたな、猫宮」
「ありがとうございます、氷華先輩!」
猫宮が笑うと、顧問が歩み寄ってきた。
「準決勝突破だ。猫宮、涼、県大会でも最高の試合だった。だが、次は決勝だ。桜乱が近づいてる。覚悟しろ」
「はい……ありがとうございます!」
猫宮は汗と涙で顔を濡らしながら、笑った。準決勝の頂を越えた喜びが、彼女に深い自信と覚悟を与えていた。
116それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:56:16.85ID:YAtSMp0Z0
試合後、体育館の外で部員たちが休憩していた。猫宮は水を飲みながら、涼と並んで座っていた。
「涼先輩、私、準決勝でも冷静でいられたよ。強かったけど、仲間がいてくれたから頂に立てた」
「うん、猫宮、ほんと頼もしくなったよ。私も猫宮がいてくれるから、全力で戦えた。一緒に勝てて嬉しい」
涼の言葉に、猫宮は頷いた。仲間との信頼が、大きな頂を越えさせてくれた。
その時、顧問が部員たちに話しかけた。
「次は決勝だ。県大会の頂点だ。桜乱がいる。芽吹がいる。あいつらに勝つには、もっと強くなれ。お前らなら、できるはずだ」
顧問の声に、猫宮は胸を高鳴らせた。芽吹という名前が、少しずつ近づいてきていた。でも、今は仲間と一緒に勝ち進むこの瞬間が、彼女を支えていた。
117それでも動く名無し
垢版 |
2025/03/01(土) 13:56:29.35ID:YAtSMp0Z0
家に帰り、猫宮は姉のラケットを手に持った。弦を指で弾くと、かすかな音が響いた。
「お姉ちゃん、私、準決勝も勝ったよ。仲間と一緒なら、どんな頂でも越えられる気がする」
窓の外では、夏の夜空に星が瞬いていた。猫宮はその光を見ながら、目を閉じた。県大会準決勝を突破したこの日が、彼女の新たな頂への一歩だった。
118それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:56:45.52ID:YAtSMp0Z0
8月下旬、県大会最終日。明星中学校の女子テニス部は、県立体育館のメインコートで決勝戦を迎えていた。準決勝までの勝利で、部員たちの間に強い結束力と自信が育ち、県大会の頂点に立つチャンスが目前に迫っていた。猫宮はラケットを手に、涼と並んでコートに向かっていた。
「猫宮、決勝だよ。ここまで来たんだから、絶対優勝しようね」
涼が笑顔で言うと、猫宮は少し緊張した顔で頷いた。
「うん……決勝ってすごい緊張するよ。でも、涼先輩と一緒なら、頑張れるよね?」
「うん、一緒なら何とかなるよ。地区予選も県大会も、私たち一緒に戦ってきたでしょ。今日も自分のリズムで、証明しよう!」
涼の明るい声に、猫宮は深呼吸して笑った。5試合を勝ち抜いた経験が、彼女に大きな決意を与えていた。
119それでも動く名無し
垢版 |
2025/03/01(土) 13:57:05.89ID:YAtSMp0Z0
決勝の相手は、県南部の強豪、豊田中学。ダブルスのペアは、3年生の渡辺と3年生の佐藤のコンビだった。顧問が試合前に部員たちを集め、相手の特徴を伝えた。
「豊田は県大会で優勝候補だ。渡辺はスピードと戦略の両立がすごいし、佐藤はパワーと正確さが武器。簡単には勝てないぞ。お前ら、ここまでやってきたすべてを出せ。猫宮と涼、信頼を証明しろ」
「はい!」
猫宮と涼が声を揃えると、顧問は鋭い目で頷いた。氷華がコート脇で静かに立ち、他の部員たちが応援席に集まった。観客席からの声援が一段と大きくなり、コートの空気が熱気を帯びていた。
試合開始の笛が鳴り、猫宮と涼がコートに立った。観客のざわめきが耳に入り、猫宮の胸が激しく打った。
「猫宮、私がサーブから行くよ。落ち着いてね!」
涼の声に、猫宮は頷き、ネット際にポジションを取った。涼のサーブが鋭く放たれ、渡辺が素早く返す。ボールが猫宮の前に来た瞬間、彼女は反射的にボレーを放った。だが、佐藤が力強く打ち返し、ポイントを奪われた。
「ごめん、涼先輩……!」
「大丈夫、次だよ! 焦らないで!」
涼の声に、猫宮は気持ちを落ち着けた。信頼が、彼女をコートに立たせていた。
120それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:57:29.17ID:YAtSMp0Z0
試合は序盤から激しい展開になった。渡辺のスピードと戦略的なショット、佐藤のパワーと正確な攻撃が猫宮と涼を圧倒した。スコアは2-4で豊田がリード。猫宮は息を切らしながら、自分の動きに焦りを感じていた。
「決勝ってこんなにすごいんだ……私がもっと頑張らないと」
その時、コート脇から氷華の声が響いた。
「猫宮、相手を見て動け! 冷静になれ! お前ならやれる!」
氷華の言葉に、猫宮はハッとした。冷静に。自分のリズムで。涼と一緒に戦う感覚を思い出し、目を閉じて息を整えた。
次のゲーム、涼のサーブから再開。渡辺が返すボールが猫宮の前に来た瞬間、彼女は相手の動きを目で追った。佐藤がネット際に詰めるのを見て、鋭いドロップショットを放った。ボールがネット際に落ち、佐藤が間に合わずポイントを取った。
「ナイス、猫宮! その調子だよ!」
涼が叫び、観客席から大きな拍手が起きた。猫宮は笑顔で頷き、次のポイントに集中した。佐藤のパワーショットが飛んできた瞬間、涼が「下がって!」と指示を出し、猫宮が深く返球。涼がネット際で決め、連続ポイントを奪った。
「涼先輩と一緒なら、どんな相手でも証明できる!」
猫宮の声に、涼が笑った。スコアは4-4に追いつき、試合は終盤へ。
121それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:57:34.44ID:0brDmUJa0
小説投稿サイトに投稿してそのURLをここに貼る形じゃダメだったのか?
122それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:57:52.35ID:YAtSMp0Z0
最終ゲーム、緊張感がコートを包んだ。涼のサーブが決まり、長いラリーが続いた。猫宮は渡辺の動きを読み、冷静にボールを返した。佐藤がパワーショットで押してきたが、涼が素早くカバー。最後、渡辺の戦略的なショットが飛んできた瞬間、猫宮は前に出て、鋭いボレーを放った。ボールが佐藤の足元をかすめ、コートに落ちた。
「ゲームセット! 明星中、6-4!」
審判の声に、猫宮と涼は同時に歓声を上げた。抱き合って喜びを分かち合い、コート脇に駆け寄った。観客席から大きな拍手と歓声が沸き起こり、部員たちが一斉に立ち上がった。
「猫宮、涼、優勝だよ! 県大会優勝!」
飛鳥が笑顔で迎え、氷華が静かに言った。
「よくやった。最後まで冷静だったな、猫宮。お前らの証明だ」
「ありがとうございます、氷華先輩!」
猫宮が笑うと、顧問が歩み寄ってきた。
「県大会優勝だ。猫宮、涼、最高の試合だった。お前らの信頼が、この結果だ。だが、次は関東だ。桜乱がいる。芽吹がいる。覚悟しろ」
「はい……ありがとうございます!」
猫宮は汗と涙で顔を濡らしながら、笑った。決勝の証明が、彼女に深い誇りと自信を与えていた。
123それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:58:13.30ID:YAtSMp0Z0
試合後、体育館の外で部員たちが優勝の喜びを分かち合っていた。猫宮は水を飲みながら、涼と並んで座っていた。
「涼先輩、私、決勝でも冷静でいられたよ。強かったけど、仲間がいてくれたから証明できた」
「うん、猫宮、ほんと強くなったよ。私も猫宮がいてくれるから、全力で戦えた。一緒に優勝できて、最高だね」
涼の言葉に、猫宮は頷いた。仲間との信頼が、県大会の頂点を掴ませてくれた。
その時、顧問が部員たちに話しかけた。
「よくやった。お前ら、県大会の頂点に立ったぞ。だが、次は関東だ。桜乱がいる。芽吹がいる。あいつらに勝つには、もっと強くなれ。お前らなら、できるはずだ」
顧問の声に、猫宮は胸を高鳴らせた。芽吹という名前が、すぐそこに近づいてきていた。でも、今は仲間と一緒に掴んだ優勝が、彼女を支えていた。
124それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:58:26.05ID:YAtSMp0Z0
家に帰り、猫宮は姉のラケットを手に持った。弦を指で弾くと、かすかな音が響いた。
「お姉ちゃん、私、県大会で優勝したよ。仲間と一緒なら、どんな証明でもできる気がする」
窓の外では、夏の夜空に星が瞬いていた。猫宮はその光を見ながら、目を閉じた。県大会決勝を制したこの日が、彼女の新たな証明の始まりだった。
125それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:58:54.09ID:YAtSMp0Z0
8月末、夏休みの終わりが近づいていた。明星中学校の女子テニス部は、県大会優勝の喜びを胸に、関東大会に向けて準備を始めていた。この日は練習が休みで、猫宮は家で静かに過ごしていた。部屋の窓から見える夏空はまだ青く、遠くで蝉の声が響いていた。
猫宮はベッドに座り、姉のラケットを手に持っていた。弦を指で弾くと、かすかな音が部屋に響いた。県大会での試合が頭をよぎる。初戦の緊張、準決勝の頂、決勝の証明。涼との信頼、氷華の言葉、顧問の指導。すべてが、彼女をここまで連れてきてくれた。
「お姉ちゃん、私、県大会で優勝したよ。仲間と一緒なら、こんなすごいこともできるんだね」
その時、スマホが鳴った。画面を見ると、涼からのメッセージだった。
「猫宮、明日みんなで集まるよ! 優勝のお祝いと、関東の作戦会議しよう! 来てね!」
猫宮は笑顔で返信を打ち、立ち上がった。次の舞台が、すでに彼女の胸を熱くしていた。
126それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:59:05.58ID:uh7hqkWcM
夏の夜空に星が瞬いていた。猫宮はその光を見ながら、目を閉じた。
127それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:59:14.05ID:YAtSMp0Z0
翌日、部員たちは学校のテニスコートに集まった。夏の陽射しが和らぎ、コートに涼しい風が吹いていた。涼が楽しそうにジュースを配り、飛鳥が笑いながらお菓子を並べていた。氷華はコートの端に立ち、静かにみんなを見ていた。
「猫宮、来た! ほら、これ飲んで!」
涼が缶ジュースを渡してくると、猫宮は笑って受け取った。
「ありがとう、涼先輩。県大会優勝、まだ夢みたいだよ」
「うん、私もだよ。猫宮と一緒に勝てて、ほんと嬉しい。次は関東だね!」
涼の言葉に、猫宮は胸が温かくなった。仲間と過ごす時間が、彼女に力を与えていた。
その時、飛鳥が近づいてきて、笑いながら言った。
「猫宮、決勝の最後、あのボレーすごかったよ。涼と息ピッタリだったね。関東でも頼もしいよ」
「え、ありがとうございます……飛鳥先輩にもたくさん応援してもらいました」
「いいって、私も楽しかったし。関東はもっと強い相手がいるよ。みんなで頑張ろう!」
飛鳥の明るい声に、猫宮は頷いた。チーム全体が、次の目標に向かっていた。
128それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:59:32.87ID:YAtSMp0Z0
少し遅れて、顧問と氷華が一緒にやってきた。顧問はラケットを手に持っており、珍しく穏やかな表情だった。
「お前ら、県大会優勝おめでとう。だが、ここで終わりじゃない。関東大会は来週だ。準備を始めろ」
部員たちが静かに頷くと、顧問は続けた。
「関東はルールが少し違う。団体戦でダブルス2試合とシングルス3試合だ。お前ら、ポジションを考えろ。特に猫宮、涼、ダブルスでここまで来たが、シングルスも視野に入れろ。芽吹みたいな怪物と戦うなら、一人でも立てる力が必要だ」
顧問の言葉に、猫宮は驚いて目を丸くした。シングルス。自分一人で戦うイメージが、まだ湧かなかった。
「顧問、私、シングルスなんて……」
「できるよ、お前なら。ダブルスで培った冷静さと信頼を、シングルスでも活かせる。考えておけ」
顧問の声に、猫宮は小さく頷いた。氷華が近づいてきて、静かに言った。
「芽吹はシングルスで私と戦うだろう。だが、桜乱はチーム全体が強い。お前がシングルスで出るなら、頼りにしてるぞ、猫宮」
「氷華先輩……私、頑張ります。関東で一緒に勝ちたいです」
氷華が小さく笑うと、チーム全体が新たな決意で結ばれた。
129それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 13:59:49.40ID:YAtSMp0Z0
その夜、猫宮は部屋でラケットを手に持ったまま、涼からもらった芽吹の動画を見ていた。彼女の鋭いショット、コートを支配する動き、冷たい目。すべてが圧倒的だった。
「この人が、氷華先輩のライバルなんだ……シングルスで戦うなんて、できるかな」
猫宮はスマホを置き、目を閉じた。芽吹という存在が、すぐそこに迫ってきていた。でも、仲間と一緒に戦ってきた経験が、彼女に「やってみたい」という思いを灯していた。
「お姉ちゃん、私、関東に行くよ。仲間と一緒なら、もっと遠くまで行ける。自分で立ってみせるよ」
窓の外では、夏の夜風がカーテンを揺らしていた。猫宮はその音を聞きながら、ラケットを抱きしめた。関東への道が、彼女の新たな一歩だった。
130それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:00:02.94ID:YAtSMp0Z0
翌日、テニスコートでの練習が再開した。顧問が部員たちを集め、関東大会に向けた計画を伝えた。
「関東まであと1週間だ。ダブルスとシングルス、両方の準備をしろ。お前ら、県大会の頂点に立ったんだ。次は関東だ。桜乱がいる。芽吹がいる。あいつらに勝つには、もっと強くなれ。お前らなら、できるはずだ」
顧問の声に、猫宮は胸を高鳴らせた。芽吹という名前が、頭の中で響いた。でも、今は仲間と一緒にいるこの時間が、彼女を支えていた。
練習が始まり、猫宮は涼とダブルスのラリーを続けた。ボールを打つたび、仲間との信頼が聞こえた。そして、顧問の指示で初めてシングルスの練習にも挑戦した。
「涼先輩、私、シングルスも頑張ってみるよ。関東で芽吹に近づきたい」
「うん、猫宮ならやれるよ。私、ずっと応援してるから。一緒に関東、勝とうね!」
涼の笑顔に、猫宮も笑った。関東への道が、彼女を待っていた。
131それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:00:18.80ID:YAtSMp0Z0
9月初旬、夏休みが終わり、新学期が始まったばかりの時期。明星中学校の女子テニス部は、関東大会の会場である関東総合体育館に到着していた。県大会とは比べものにならない規模のコートと観客席が広がり、全国レベルの緊張感が空気を支配していた。猫宮はラケットを手に、涼と並んで初戦のコートに向かっていた。
「猫宮、関東大会だよ。県大会よりすごい雰囲気だね」
涼が少し緊張した笑顔で言うと、猫宮も小さく頷いた。
「うん……人が多くてドキドキする。でも、涼先輩と一緒なら、頑張れるよね?」
「うん、一緒なら何とかなるよ。県大会も勝ったんだから、関東でもやれるよ。自分のリズムでいこう!」
涼の明るい声に、猫宮は深呼吸して笑った。県大会優勝の経験が、彼女に新たな勇気を与えていた。
132それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:00:30.43ID:lwTdRHpi0
姉貴場面はちょっともうふざけてるやろ
毎分セーブしてるようなもんやわ
133それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:00:37.34ID:YAtSMp0Z0
関東大会初戦の相手は、千葉県代表の柏中学。団体戦の形式は、ダブルス2試合とシングルス3試合。顧問が試合前に部員たちを集め、ルールと相手の特徴を伝えた。
「関東は団体戦だ。ダブルス2試合、シングルス3試合で勝敗が決まる。柏はバランスのいいチームだ。ダブルスはスピードと連携が得意なペアが多い。猫宮と涼、ダブルス1で出てくれ。県大会の感覚を活かせ。シングルスも準備しろよ」
「はい!」
猫宮と涼が声を揃えると、顧問は鋭い目で頷いた。氷華がコート脇でラケットを手に持ち、他の部員たちが応援席に集まった。観客席からの声援が響き、コートの空気が熱気を帯びていた。
試合開始の笛が鳴り、ダブルス1として猫宮と涼がコートに立った。相手は柏の3年生ペア、斉藤と藤井だった。観客のざわめきが耳に入り、猫宮の胸が激しく打った。
「猫宮、私がサーブから行くよ。落ち着いてね!」
涼の声に、猫宮は頷き、ネット際にポジションを取った。涼のサーブが鋭く放たれ、斉藤が素早く返す。ボールが猫宮の前に来た瞬間、彼女は反射的にボレーを放った。だが、藤井が連携よく拾い、斉藤がスマッシュで決め、ポイントを奪われた。
「ごめん、涼先輩……!」
「大丈夫、次だよ! 焦らないで!」
涼の声に、猫宮は気持ちを落ち着けた。県大会と同じように、信頼が彼女を支えていた。
134それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:00:52.27ID:YAtSMp0Z0
試合は序盤から激しい展開になった。斉藤と藤井のスピードと連携が猫宮と涼を圧倒した。スコアは2-3で柏がリード。猫宮は息を切らしながら、自分の動きに焦りを感じていた。
「関東ってこんなにすごいんだ……私がもっと頑張らないと」
その時、コート脇から氷華の声が響いた。
「猫宮、相手を見て動け! 冷静になれ! お前ならやれる!」
氷華の言葉に、猫宮はハッとした。冷静に。自分のリズムで。涼と一緒に戦う感覚を思い出し、深呼吸した。
次のゲーム、涼のサーブから再開。斉藤が返すボールが猫宮の前に来た瞬間、彼女は相手の動きを目で追った。藤井がネット際に詰めるのを見て、鋭いドロップショットを放った。ボールがネット際に落ち、藤井が間に合わずポイントを取った。
「ナイス、猫宮! その調子だよ!」
涼が叫び、観客席から拍手が起きた。猫宮は笑顔で頷き、次のポイントに集中した。斉藤の速いショットが飛んできた瞬間、涼が「下がって!」と指示を出し、猫宮が深く返球。涼がネット際で決め、連続ポイントを奪った。
「涼先輩と一緒なら、関東でも戦える!」
猫宮の声に、涼が笑った。スコアは4-3で明星が逆転し、試合は終盤へ。
135それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:01:09.95ID:YAtSMp0Z0
最終ゲーム、緊張感がコートを包んだ。涼のサーブが決まり、長いラリーが続いた。猫宮は斉藤の動きを読み、冷静にボールを返した。藤井が連携で揺さぶってきたが、涼が素早くカバー。最後、斉藤の返球がネットに引っかかり、試合が決まった。
「ゲームセット! 明星中、6-4!」
審判の声に、猫宮と涼は同時に歓声を上げた。抱き合って喜びを分かち合い、コート脇に駆け寄った。
「猫宮、涼、ダブルス1勝ったよ! いいスタートだ!」
飛鳥が笑顔で迎え、氷華が静かに言った。
「よくやった。最後まで冷静だったな、猫宮」
「ありがとうございます、氷華先輩!」
猫宮が笑うと、顧問が歩み寄ってきた。
「ダブルス1突破だ。猫宮、涼、関東でもやれるな。だが、団体戦はまだ続く。シングルスもある。準備しろよ」
「はい……ありがとうございます!」
猫宮は汗だくの顔で笑った。関東初戦の勝利が、彼女に新たな自信を与えていた。
136それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:01:25.06ID:YAtSMp0Z0
試合後、団体戦の結果を確認するため、部員たちが集まった。ダブルス2は飛鳥と美咲が6-3で勝利。シングルス1で氷華が圧倒的な強さで6-1で勝ち、団体戦は明星が3-0で初戦を制した。体育館の外で休憩中、猫宮は涼と並んで座っていた。
「涼先輩、私、関東でも冷静でいられたよ。県大会みたいに、仲間がいてくれたから頑張れた」
「うん、猫宮、ほんと頼もしくなったよ。私も猫宮がいてくれるから、全力で戦えた。一緒に勝てて嬉しい」
涼の言葉に、猫宮は頷いた。仲間との信頼が、関東の幕開けを勝利で飾ってくれた。
その時、顧問が部員たちに話しかけた。
「初戦突破だ。だが、次は2回戦だ。関東はここからが正念場だ。桜乱がいる。芽吹がいる。あいつらに近づいてるぞ。お前ら、もっと強くなれ。猫宮、シングルスの準備も進めろ。お前ならやれる」
顧問の声に、猫宮は胸を高鳴らせた。芽吹という名前が、少しずつ近づいてきていた。シングルスへの挑戦が、彼女の頭に浮かんでいた。でも、今は仲間と一緒に勝ち進むこの瞬間が、彼女を支えていた。
137それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:01:35.22ID:YAtSMp0Z0
家に帰り、猫宮は姉のラケットを手に持った。弦を指で弾くと、かすかな音が響いた。
「お姉ちゃん、私、関東でも勝ったよ。仲間と一緒なら、どこまででも行ける。シングルスでも、立ってみせるよ」
窓の外では、夏の終わりを感じさせる夜風がカーテンを揺らしていた。猫宮はその音を聞きながら、目を閉じた。関東大会初戦を突破したこの日が、彼女の新たな幕開けだった。
138それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:01:54.67ID:YAtSMp0Z0
9月初旬、関東大会2日目。明星中学校の女子テニス部は、関東総合体育館のコートで2回戦に臨んでいた。初戦の勝利でチームに勢いがついていたが、関東のレベルは県大会を遥かに超えており、緊張感も増していた。猫宮はラケットを手に、涼と並んでダブルス1のコートに向かっていた。
「猫宮、2回戦だよ。初戦勝ったからって気を抜かないでね」
涼が軽い口調で言うと、猫宮は少し緊張した顔で頷いた。
「うん……関東の相手、強そうだね。でも、涼先輩と一緒なら頑張れるよ」
「うん、私も猫宮と一緒なら負けないよ。一緒に勝とう!」
涼の笑顔に、猫宮も小さく笑った。初戦の勝利と県大会優勝の経験が、彼女に新たな鼓動を与えていた。
139それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:02:00.00ID:uh7hqkWcM
まさかとは思うけど全国大会編までやるつもりなの?
140それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:02:18.16ID:YAtSMp0Z0
2回戦の相手は、神奈川県代表の横浜中学。ダブルスのペアは、3年生の小田と2年生の林のコンビだった。顧問が試合前に部員たちを集め、相手の特徴を伝えた。
「横浜は関東でも上位を狙うチームだ。小田はスピードとパワーがあって、林は頭を使ったプレーが得意。県大会の決勝より厳しいぞ。お前ら、冷静に自分のテニスをやれ。猫宮と涼、ダブルス1で出てくれ。信頼を活かせ。シングルスも準備しろよ」
「はい!」
猫宮と涼が声を揃えると、顧問は鋭い目で頷いた。氷華がコート脇でラケットを手に持ち、他の部員たちが応援席に集まった。観客席からの声援が響き、コートの空気が一段と熱くなった。
試合開始の笛が鳴り、猫宮と涼がコートに立った。観客のざわめきが耳に入り、猫宮の胸が激しく打った。
「猫宮、私がサーブから行くよ。落ち着いてね!」
涼の声に、猫宮は頷き、ネット際にポジションを取った。涼のサーブが鋭く放たれ、小田が力強く返す。ボールが猫宮の前に来た瞬間、彼女は反射的にボレーを放った。だが、林が素早く拾い、小田がスマッシュで決め、ポイントを奪われた。
「ごめん、涼先輩……!」
「大丈夫、次だよ! 焦らないで!」
涼の声に、猫宮は気持ちを切り替えた。信頼が、彼女をコートに立たせていた。
141それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:02:33.71ID:YAtSMp0Z0
試合は序盤から厳しい展開になった。小田のスピードとパワーの融合、林の戦略的なショットが猫宮と涼を圧倒した。スコアは2-4で横浜がリード。猫宮は息を切らしながら、自分の動きに焦りを感じていた。
「関東の2回戦ってこんなに強いんだ……私がもっと冷静にならないと」
その時、コート脇から氷華の声が響いた。
「猫宮、相手を見て動け! 冷静になれ! お前ならやれる!」
氷華の言葉に、猫宮はハッとした。冷静に。自分のリズムで。涼と一緒に戦う感覚を思い出し、目を閉じて息を整えた。すると、胸の奥で何か熱いものが脈打つような感覚があった。それは、県大会では感じなかった、新しい鼓動だった。
次のゲーム、涼のサーブから再開。小田が返すボールが猫宮の前に来た瞬間、彼女は相手の動きを目で追った。林がネット際に詰めるのを見て、鋭いドロップショットを放った。ボールがネット際に落ち、林が間に合わずポイントを取った。
「ナイス、猫宮! その調子だよ!」
涼が叫び、観客席から拍手が起きた。猫宮は笑顔で頷き、次のポイントに集中した。小田のパワーショットが飛んできた瞬間、涼が「下がって!」と指示を出し、猫宮が深く返球。涼がネット際で決め、連続ポイントを奪った。
「涼先輩と一緒なら、どんな強さでも戦える!」
猫宮の声に、涼が笑った。スコアは4-4に追いつき、試合は終盤へ。
142それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:02:57.56ID:YAtSMp0Z0
最終ゲーム、緊張感がコートを包んだ。涼のサーブが決まり、長いラリーが続いた。猫宮は小田の動きを読み、冷静にボールを返した。林が頭脳的なショットで揺さぶってきたが、涼が素早くカバー。最後、小田の強烈なショットが飛んできた瞬間、猫宮は前に出て、鋭いボレーを放った。ボールが小田の足元をかすめ、コートに落ちた。
「ゲームセット! 明星中、6-4!」
審判の声に、猫宮と涼は同時に歓声を上げた。抱き合って喜びを分かち合い、コート脇に駆け寄った。
「猫宮、涼、2回戦も勝ったよ! すごい試合だった!」
飛鳥が笑顔で迎え、氷華が静かに言った。
「よくやった。最後まで冷静だったな、猫宮。なんか、お前、強くなってるぞ」
「ありがとうございます、氷華先輩!」
猫宮が笑うと、顧問が歩み寄ってきた。
「ダブルス1突破だ。猫宮、涼、関東でも安定してる。だが、団体戦はまだ続く。シングルスでも出る準備しろよ。お前なら、もっと上に行ける」
「はい……ありがとうございます!」
猫宮は汗だくの顔で笑った。2回戦の鼓動が、彼女に新たな可能性を感じさせていた。
143それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:03:16.98ID:YAtSMp0Z0
試合後、団体戦の結果を確認した。ダブルス2は飛鳥と美咲が6-3で勝利。シングルス1で氷華が6-2、シングルス2で飛鳥が6-4で勝ち、団体戦は明星が4-0で2回戦を突破した。体育館の外で休憩中、猫宮は涼と並んで座っていた。
「涼先輩、私、関東でも冷静でいられたよ。試合中、なんか胸が熱くなって……もっと強くなりたいって思った」
「うん、猫宮、私も感じたよ。お前、なんかすごい雰囲気出てた。一緒に勝てて嬉しいし、シングルスでも見たいな」
涼の言葉に、猫宮は頷いた。仲間との信頼が、彼女の中に眠る力を呼び覚ましつつあった。
その時、顧問が部員たちに話しかけた。
「2回戦突破だ。だが、次は3回戦だ。関東はここからが正念場だ。桜乱が近づいてる。芽吹がいる。あいつらに勝つには、もっと強くなれ。猫宮、シングルスの準備進めろ。お前なら、世界だって見えるぞ」
顧問の声に、猫宮は胸を高鳴らせた。芽吹という名前が、すぐそこに迫ってきていた。そして、「世界」という言葉が、彼女の心に響いた。まだ遠い夢。でも、仲間と一緒なら、いつか届くかもしれない。そんな希望が、彼女の鼓動を強くしていた。
144それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:03:18.53ID:/9PqsJem0
楽しかった
145それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:03:37.00ID:YAtSMp0Z0
家に帰り、猫宮は姉のラケットを手に持った。弦を指で弾くと、かすかな音が響いた。
「お姉ちゃん、私、関東でも勝ったよ。仲間と一緒なら、どこまででも行ける。シングルスで、世界を目指してみせるよ」
窓の外では、夏の終わりを感じさせる夜空に星が瞬いていた。猫宮はその光を見ながら、目を閉じた。関東大会2回戦を突破したこの日が、彼女の新たな鼓動の始まりだった。
146それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:04:06.00ID:YAtSMp0Z0
9月初旬、関東大会3日目。明星中学校の女子テニス部は、関東総合体育館のコートで3回戦に臨んでいた。2回戦までの勝利でチームに勢いがつき、部員たちの間に自信と緊張が混じり合っていた。猫宮はラケットを手に、涼と並んでダブルス1のコートに向かっていたが、今日はもう一つ、新たな挑戦が待っていた。
「猫宮、3回戦だよ。ダブルスも大事だけど、シングルスもあるからね。準備できてる?」
涼が少し真剣な口調で言うと、猫宮は少し緊張した顔で頷いた。
「うん……シングルス、ちょっと怖いけど、涼先輩と一緒にダブルスで戦ってきたから、頑張れる気がするよ」
「うん、猫宮ならやれるよ。私、シングルスでも応援してるから。一緒に勝とうね!」
涼の笑顔に、猫宮も小さく笑った。2試合の勝利と県大会優勝の経験が、彼女に新たな兆しを感じさせていた。
147それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:04:30.44ID:YAtSMp0Z0
3回戦の相手は、埼玉県代表の浦和中学。団体戦の形式は引き続きダブルス2試合とシングルス3試合。顧問が試合前に部員たちを集め、相手の特徴と役割分担を伝えた。
「浦和は関東でもベスト8を狙うチームだ。ダブルスは連携と持久力が強い。猫宮と涼、ダブルス1で出てくれ。信頼を活かせ。そして、猫宮、シングルス3でも出る。初めてだが、お前ならやれる。自分の力を試せ」
「はい!」
猫宮が声を上げると、顧問は鋭い目で頷いた。氷華がコート脇で静かに立ち、他の部員たちが応援席に集まった。観客席からの声援が響き、コートの空気が熱気を帯びていた。
まず、ダブルス1の試合開始の笛が鳴り、猫宮と涼がコートに立った。相手は浦和の3年生ペア、山口と田村だった。
「猫宮、私がサーブから行くよ。落ち着いてね!」
涼の声に、猫宮は頷き、ネット際にポジションを取った。涼のサーブが放たれ、山口が素早く返す。ボールが猫宮の前に来た瞬間、彼女は冷静にボレーを放った。田村が拾い、長めのラリーが続いたが、涼がネット際で決め、ポイントを取った。
「ナイス、涼先輩!」
「うん、猫宮もいい動きだよ! この調子で!」
試合は拮抗しつつも、猫宮と涼の連携が光り、6-4で勝利。ダブルス1を制した二人は、コート脇で部員たちに迎えられた。
「よくやった、猫宮、涼。次はお前、シングルスだぞ」
顧問の声に、猫宮は胸を高鳴らせた。
148それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:04:46.67ID:YAtSMp0Z0
シングルス3の試合が始まる前、猫宮はコートの端で深呼吸していた。相手は浦和の2年生、岡崎。顧問が肩を叩き、静かに言った。
「猫宮、シングルスは一人で立つ戦いだ。だが、ダブルスで培った冷静さと信頼を忘れるな。お前ならやれる。自分の力を信じろ」
「はい……頑張ります!」
試合開始の笛が鳴り、猫宮がコートに立った。観客のざわめきが耳に入り、心臓が激しく打った。初のシングルス。涼の声はない。でも、仲間との経験が、彼女を支えていた。
岡崎のサーブが鋭く飛んできた。猫宮は反射的に動いて返したが、岡崎が素早くネットに詰め、ボレーを決めた。スコアは0-1。
「私が自分でやらなきゃ……」
その時、コート脇から氷華の声が響いた。
「猫宮、相手を見て動け! 冷静になれ! お前ならやれる!」
氷華の言葉に、猫宮はハッとした。冷静に。自分のリズムで。胸の奥で感じたあの鼓動を思い出し、目を閉じて息を整えた。すると、何か熱いものが湧き上がる感覚があった。
次のゲーム、猫宮のサーブ。ボールを高くトスし、鋭く放つ。岡崎が返すが、猫宮は相手の動きを目で追い、ドロップショットを放った。ボールがネット際に落ち、ポイントを取った。観客席から拍手が起きた。
「やった……!」
猫宮は小さく呟き、次のポイントに集中した。岡崎の速いショットが飛んできた瞬間、彼女は素早く下がり、深く返球。その後のラリーで、猫宮は冷静に相手の隙を見極め、鋭いフォアハンドで決め、ゲームを奪った。スコアは3-3に。
試合は終盤、5-5で並んだ。最後のゲーム、猫宮のサーボが決まり、長いラリーが続いた。岡崎がネットに詰めた瞬間、猫宮はロブを上げ、相手が下がった隙にボレーを放った。ボールが岡崎の足元をかすめ、コートに落ちた。
「ゲームセット! 猫宮、6-4!」
審判の声に、猫宮は歓声を上げ、コート脇に駆け寄った。
149それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:04:56.55ID:uh7hqkWcM
夏の終わりを感じさせる夜空に星が瞬いていた。猫宮はその光を見ながら、目を閉じた。
150それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:05:01.56ID:YAtSMp0Z0
団体戦の結果、ダブルス1とシングルス3で猫宮が勝利し、ダブルス2も飛鳥と美咲が6-3で勝ち、シングルス1で氷華が6-1で圧勝。明星が4-0で3回戦を突破した。休憩中、猫宮は涼と並んで座っていた。
「涼先輩、私、シングルスでも勝ったよ。なんか、胸が熱くなって……自分で立ってる感じがした」
「うん、猫宮、すごかったよ! シングルスでも冷静だったし、なんか強さが溢れてた。私、感動したよ」
涼の言葉に、猫宮は頷いた。初めてのシングルス勝利が、彼女の中に眠る力を少しだけ呼び覚ました。
顧問が近づいてきて、静かに言った。
「3回戦突破だ。猫宮、シングルス初戦で勝ったな。お前、内に秘めたものがある。準決勝で桜乱が来る。芽吹がいる。あいつらに勝つには、その力をもっと出せ。お前なら、世界が見えるぞ」
顧問の声に、猫宮は胸を高鳴らせた。芽吹という名前が、すぐそこに迫っていた。そして、「世界」という言葉が、彼女の心に深く響いた。
151それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:05:26.56ID:YAtSMp0Z0
家に帰り、猫宮は姉のラケットを手に持った。弦を指で弾くと、かすかな音が響いた。
「お姉ちゃん、私、シングルスでも勝ったよ。仲間と一緒で、でも自分で立って……世界を目指せるかもしれない」
窓の外では、秋の気配を感じさせる夜風がカーテンを揺らしていた。猫宮はその光を見ながら、目を閉じた。関東大会3回戦を突破したこの日が、彼女の真価の兆しだった。
152それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:05:47.25ID:YAtSMp0Z0
9月初旬、関東大会4日目。明星中学校の女子テニス部は、関東総合体育館のメインコートで準々決勝に臨んでいた。3回戦までの勝利でチームの勢いは増していたが、関東の強豪が集まる中、壁は一段と高くなっていた。猫宮はラケットを手に、涼と並んでダブルス1のコートに向かい、その後シングルス3の準備も控えていた。
「猫宮、準々決勝だよ。ここまで来たんだから、目の前の試合に集中しようね」
涼が少し真剣な口調で言うと、猫宮は頷いた。
「うん……関東の準々決勝、すごい緊張する。でも、涼先輩と一緒なら、頑張れるよ」
「うん、私も猫宮と一緒なら負けないよ。一試合ずつ勝っていこう!」
涼の笑顔に、猫宮も小さく笑った。3試合の勝利とシングルスでの初戦突破が、彼女に目の前の戦いへの集中力を与えていた。
153それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:05:57.66ID:uh7hqkWcM
世界!?
154それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:05:58.48ID:lwTdRHpi0
表現の使い回しがやべー多いけどこれもギャグなん?
イッチはコメディを提供してくれてるんか?
155それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:06:10.05ID:YAtSMp0Z0
準々決勝の相手は、東京都代表の立川中学。団体戦の形式はダブルス2試合とシングルス3試合。顧問が試合前に部員たちを集め、相手の特徴と役割を伝えた。
「立川は関東ベスト4を狙うチームだ。ダブルスは連携とパワーが強い。猫宮と涼、ダブルス1で出てくれ。冷静にやれ。そして、猫宮、シングルス3も頼む。お前ならやれる。一試合ずつ集中しろ」
「はい!」
猫宮が声を上げると、顧問は鋭い目で頷いた。氷華がコート脇で静かに立ち、他の部員たちが応援席に集まった。観客席からの声援が響き、コートの空気が熱気を帯びていた。
まず、ダブルス1の試合開始の笛が鳴り、猫宮と涼がコートに立った。相手は立川の3年生ペア、佐野と中田だった。
「猫宮、私がサーブから行くよ。一点ずつ取っていこう!」
涼の声に、猫宮は頷き、ネット際にポジションを取った。涼のサーブが放たれ、佐野が力強く返す。ボールが猫宮の前に来た瞬間、彼女は冷静にボレーを放った。中田が素早く拾い、長いラリーが続いたが、涼がネット際で決め、ポイントを取った。
「ナイス、涼先輩!」
「うん、猫宮もいい動きだよ! この調子で!」
試合は拮抗しつつも、猫宮と涼の連携が冴え、6-4で勝利。ダブルス1を制した二人は、コート脇で部員たちに迎えられた。
「よくやった、猫宮、涼。次はシングルスだ。目の前に集中しろ」
顧問の声に、猫宮は頷いた。
156それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:06:35.32ID:YAtSMp0Z0
シングルス3の試合が始まる前、猫宮はコートの端で深呼吸していた。相手は立川の3年生、松井。顧問が近づき、静かに言った。
「猫宮、シングルスは一人で立つ戦いだ。だが、ダブルスで培った冷静さを忘れるな。一点ずつ集中しろ。お前ならやれる」
「はい……目の前の試合、頑張ります!」
試合開始の笛が鳴り、猫宮がコートに立った。観客のざわめきが耳に入り、心臓が激しく打った。2度目のシングルス。でも、仲間との経験が、彼女を支えていた。
松井のサーブが鋭く飛んできた。猫宮は反射的に動いて返したが、松井が素早くネットに詰め、ボレーを決めた。スコアは0-1。
「私が自分でやらなきゃ……一点ずつだ」
その時、コート脇から氷華の声が響いた。
「猫宮、相手を見て動け! 冷静になれ! お前ならやれる!」
氷華の言葉に、猫宮はハッとした。冷静に。自分のリズムで。胸の奥で感じたあの鼓動を思い出し、息を整えた。
次のゲーム、猫宮のサーブ。ボールを高くトスし、鋭く放つ。松井が返すが、猫宮は相手の動きを目で追い、ドロップショットを放った。ボールがネット際に落ち、ポイントを取った。観客席から拍手が起きた。
「やった……!」
猫宮は小さく呟き、次のポイントに集中した。松井のパワーショットが飛んできた瞬間、彼女は素早く下がり、深く返球。その後のラリーで、猫宮は冷静に相手の隙を見極め、鋭いフォアハンドで決め、ゲームを奪った。スコアは3-3に。
試合は終盤、5-5で並んだ。最後のゲーム、猫宮のサーボが決まり、長いラリーが続いた。松井がネットに詰めた瞬間、猫宮はロブを上げ、相手が下がった隙にボレーを放った。ボールが松井の足元をかすめ、コートに落ちた。
「ゲームセット! 猫宮、6-4!」
審判の声に、猫宮は歓を上げ、コート脇に駆け寄った。
157それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:06:53.11ID:YAtSMp0Z0
団体戦の結果、ダブルス1とシングルス3で猫宮が勝利し、ダブルス2も飛鳥と美咲が6-3で勝ち、シングルス1で氷華が6-1で圧勝。明星が4-0で準々決勝を突破した。休憩中、猫宮は涼と並んで座っていた。
「涼先輩、私、シングルスでもまた勝ったよ。一点ずつ集中してたら、なんか冷静になれた」
「うん、猫宮、すごかったよ! シングルスでも強さが光ってた。私、猫宮ならもっとすごいところまで行けるって思うよ」
涼の言葉に、猫宮は頷いた。シングルスでの勝利が、彼女に目の前の試合への自信を深めていた。
顧問が近づいてきて、静かに言った。
「準々決勝突破だ。猫宮、シングルスでまた勝ったな。お前、冷静さが武器になってる。次は準決勝だ。桜乱が来る。芽吹がいる。一試合ずつ集中しろ。お前なら、どこまででも行ける」
顧問の声に、猫宮は胸を高鳴らせた。芽吹という名前が、すぐそこに迫っていた。でも、今は目の前の試合に勝ち続けることが、彼女の全てだった。
158それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:07:06.47ID:YAtSMp0Z0
家に帰り、猫宮は姉のラケットを手に持った。弦を指で弾くと、かすかな音が響いた。
「お姉ちゃん、私、準々決勝も勝ったよ。仲間と一緒で、一試合ずつ頑張ってる。目の前を越えていきたい」
窓の外では、秋の気配を感じさせる夜風がカーテンを揺らしていた。猫宮はその音を聞きながら、目を閉じた。関東大会準々決勝を突破したこの日が、彼女の新たな壁への一歩だった。
159それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:07:33.72ID:YAtSMp0Z0
9月初旬、関東大会5日目が目前
に迫っていた。明星中学校の女子テニス部は、準々決勝を突破し、関東総合体育館での準決勝に向けて最終調整に入っていた。チームの士気は高く、猫宮はラケットを手に、練習コートで汗を流していた。この日はダブルスとシングルスの両方の準備を進め、芽吹との対決が近づく中、目の前の戦いに集中していた。
「猫宮、準決勝が明日だよ。桜乱と芽吹が来るって、ちょっと緊張するね」
涼がボールを手に持って言うと、猫宮は少し真剣な顔で頷いた。
「うん……芽吹ってすごいんだよね。でも、今は目の前の試合に集中したい。涼先輩と一緒に頑張るよ」
「うん、そうだね。一試合ずつだよ。私、猫宮と一緒ならどんな相手でも戦えるよ!」
涼の笑顔に、猫宮も小さく笑った。準々決勝までの勝利が、彼女に目の前の戦いへの決意を与えていた。
160それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:07:48.63ID:YAtSMp0Z0
練習中、顧問が部員たちを集めた。秋の陽射しがコートを照らし、風が汗を冷やしていた。
「準決勝は明日だ。相手は桜乱。あの芽吹がいる。団体戦はダブルス2試合、シングルス3試合だ。猫宮と涼、ダブルス1で出てくれ。そして、猫宮、シングルス3も頼む。お前ならやれる。桜乱は強いが、一試合ずつ集中しろ」
「はい !」
猫宮が声を上げると、顧問は続けた。
「桜乱のダブルスは攻撃的なスタイルだ。芽吹はシングルスで出てくる可能性が高い。氷華、シングルス1で備えろ。猫宮、ダブルスとシングルスで桜乱の壁を越える準備をしろ。一点ずつ戦え」
顧問の声に、氷華が静かに頷き、猫宮も深呼吸した。芽吹の名前が響くたび、胸が少し震えたが、今は目の前の試合に全力を注ぐだけだった。
161それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:08:04.10ID:YAtSMp0Z0
練習の最後、猫宮と涼はダブルスの模擬試合を行った。相手は飛鳥と美咲のペア。今回はいつもと違い、飛鳥がネット際で積極的に攻め、美咲がベースラインから深いショットを繰り出す戦略を取ってきた。
「猫宮、私がサーブだよ。飛鳥が前に出るから、気をつけて!」
涼のサーブが飛ぶと、飛鳥が即座にネットに詰め、ボレーを放ってきた。猫宮は反射的に下がり、深いロブで返す。美咲がバックハンドで鋭く返し、涼がネット際でカットしたが、飛鳥が再びボレーで決めた。
「ごめん、涼先輩……飛鳥先輩、速いね」
「うん、でも大丈夫だよ。次は私がカバーするから、猫宮はタイミング見て前に出てみて!」
次のポイント、涼のサーブが飛ぶ。美咲が深く返すが、猫宮は飛鳥の動きを予測し、一歩前に出て鋭いドライブボレーを放った。ボールが飛鳥の横を抜け、コートに突き刺さった。
「ナイス、猫宮! その感じだよ!」
涼が笑うと、猫宮も 笑顔で頷いた。試合は6-5で負けたが、新しい攻撃パターンを試す中で、猫宮は自分のタイミング感覚が冴えてくるのを感じていた。
162それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:08:20.16ID:YAtSMp0Z0
その後、シングルスの練習に移った。相手は氷華。猫宮は初めてのシングルス対決に緊張しながらも、コートに立った。
「猫宮、来い。一点ずつだ」
氷華のサーブが鋭く飛んできた。猫宮は素早く反応し、バックハンドで返すが、氷華が即座に角度のあるフォアハンドでコーナーを突き、ポイントを取った。
「氷華先輩、すごい……!」
「集中しろ、猫宮。相手の動きを読め」
次のゲーム、猫宮のサーブ。彼女は深く息を吸い、ボールを高くトスして放つ。氷華が返すが、猫宮は相手のポジションを見極め、ベースラインぎりぎりにロングショットを打ち込んだ。氷華が追いつくも、返球が浅くなり、猫宮がネットに詰めてボレーを決めた。
「やった……!」
「悪くないぞ、猫宮。もっと攻めろ」
氷華の言葉に、猫宮は頷いた。試合は6-2で負けたが、氷華の動きを読み、攻めに転じる瞬間が増えていた。彼女の中に、何かが芽生えつつある兆しを感じた。
163それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:08:44.99ID:YAtSMp0Z0
練習後、部員たちがコート脇で休憩していた。猫宮は水を飲みながら、涼と並んで座っていた。
「涼先輩、今日の練習、飛鳥先輩たちの動きが速くてびっくりしたよ。でも、シングルスで氷華先輩とやった時、なんか自分で攻められる気がした」
「うん、猫宮、シングルスでも強くなってるよ。氷華先輩相手にポイント取るなんてすごい。私、準決勝でも猫宮に頼っちゃうな」
涼の言葉に、猫宮は笑った。目の前の試合に集中する中で、彼女の内に秘めた力が少しずつ形になりつつあった。
顧問が近づいてきて、静かに言った。
「明日はいよいよ準決勝だ。桜乱が来る。芽吹がいる。お前ら、一試合ずつ集中しろ。猫宮、ダブルスもシングルスも、お前が鍵だ。一点ずつ戦え」
顧問の声に、猫宮は胸を高鳴らせた。芽吹という名前が、すぐそこに迫っていた。でも、今は準決勝を勝ち抜くことだけが、彼女の頭を占めていた。
164それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:08:56.31ID:YAtSMp0Z0
家に帰り、猫宮は姉のラケットを手に持った。弦を指で弾くと、かすかな音が響いた。
「お姉ちゃん、私、準決勝が明日だよ。仲間と一緒に、目の前の試合を頑張る。桜乱に勝ちたい」
窓の外では、秋の夜風がカーテンを揺らしていた。猫宮はその音を聞きながら、目を閉じた。関東大会準決勝を目前に控えたこの日が、彼女の新たな備えの日だった。
165それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:09:20.84ID:YAtSMp0Z0
9月初旬、関東大会5日目。明星中学校の女子テニス部は、関東総合体育館のメインコートで準決勝を迎えていた。相手は桜乱中学、日本ジュニアの頂点に君臨する芽吹を擁する強豪。団体戦の形式で、シングルス1(S1)が勝敗の鍵を握り、猫宮はその大役を担うことになっていた。試合前日の夜、彼女は部屋で姉のラケットを手に持っていた。弦を指で弾くと、かすかな音が響いた。
「お姉ちゃん、私、明日芽吹先輩と戦うよ。ずっと憧れてた人。でも、目の前の試合に集中しないと……」
芽吹への憧れは、猫宮がテニスを続ける原動力だった。ジュニア大会の動画で見た芽吹の鋭いショットと圧倒的な存在感に、心を奪われた。あの強さが、猫宮に「プロになりたい」という夢を抱かせたのだ。
166それでも動く名無し
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2025/03/01(土) 14:09:37.86ID:YAtSMp0Z0
試合当日、チームは会場に到着した。コートに立つ前、猫宮はラケットを手に、涼と並んで準備をしていた。
「猫宮、準決勝だよ。芽吹とS1で戦うって決まったんだね。すごい緊張するけど、私、ずっと応援してるから!」
涼が少し震える声で言うと、猫宮は深呼吸して頷いた。
「うん……芽吹先輩って怖いけど、目の前に集中するよ。涼先輩たちとここまで来たから、頑張れる」
「うん、猫宮ならやれるよ。私たち、信じてる。一点ずつ戦って!」
涼の笑顔に、猫宮も小さく笑った。関東大会までの勝利が、彼女に目の前の戦いへの決意を与えていた。
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