◆JERAセ・リーグ 中日4―1ヤクルト(20日・バンテリンドーム)

 中日・高橋宏斗投手が6回4安打1失点と好投。本拠地初勝利となるプロ2勝目を手にした。最速153キロを軸にカットボール、スプリット、カーブなどを駆使。7日の同戦(神宮)で初勝利を挙げた昨季のリーグ王者を8奪三振で手玉にとった。

 脅威の“学習能力”を発揮した。試合前に、捕手の木下から「山田、村上のソロはしょうがない」と打ち合わせ。前日に大野雄が本塁打を嫌がり、連続四球から塩見に先制打を打たれたことを糧に「同じ失敗はしない」と決めた。結果的に村上に特大の一発は浴びたがソロにとどめた。「シングルはOK」というチームの先輩・“松葉思考”を実行した。

 さらに、この日からバンテリンDのスコアボード表記を「高橋宏斗」と、フルネームに変更。チームでは「大野雄大」らが、同姓がいるためフル表記しているが「かっこいい」と尊敬する先輩を追いかける。登場曲のあいみょんも、大野雄やロッテ・佐々木朗への憧れから変更した。

 さらに取材後、報道陣に「これ書いてください」と唐突に話し始めた右腕。登板5日前に、バンテリンのロッカーで京田から「いつ投げるの?」と聞かれ「20日投げます」と回答。この日、“バースデータイムリー”で打のヒーローとなった選手会長から「俺の誕生日だから、お前と俺一緒にお立ち台だな」と、サラリと予言。「やっぱかっこいいっす」と、予告的中の先輩にも頭を下げていた。