運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長が、
遭難した船の運航を正当化しているとも読めるメッセージを29日に従業員に送ったことが分かった。
また、桂田氏が船体への浸水の原因を、動物との衝突と主張していることも、関係者への取材で分かった。

メッセージはLINEで、経営する宿泊施設の従業員らに送信した。
桂田氏は「船が予定通り(午後1時に)戻れれば、(波高は)1メートル前後の許容範囲内だったことがわかります」と記した。
続けて、事故があった23日のウトロ漁港の気象データを送信し、正午の波高が0・69メートルだったことを示した。  

ただ、実際には午後1時の波高は1・88メートル。

メッセージでは「マスコミは面白がり物語を作ります。なるだけテレビを見ないで」とも記した。  

また、桂田氏は関係者とのやりとりの中で
「(遊覧船が戻る際は水深が)深い所をまわるので、水が漏れるような座礁はしない。
ただ、クジラに当たったり、突き上げられると穴が空く可能性はある」
と話し、確たる裏付けがないまま、事故原因は高波や座礁ではなく、動物との衝突と主張していたという。