北海道にまたも巨大ヒグマが…犬喰い「RT」の驚くべき生態
民家の庭で飼い犬を次々と襲撃

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何の前触れもなく住宅街に現れ、次々と飼い犬を襲っていく―。「RT」と呼ばれる1頭のヒグマが、北海道・羅臼町を恐怖に陥れている。現地では何が起きているのか、被害の全貌をレポートする。

夜の住宅街での凶行

雄大な自然を持つ北海道・知床半島の南東に位置する羅臼町。昆布漁やホッケ漁が盛んな町で、1頭のヒグマが住民たちを震撼させている。
「2018年8月のことです。海に面した海岸町という地域で、民家の庭につながれていた飼い犬2匹がヒグマに襲われて死亡したのです。このヒグマは食べ残した犬を地面に埋め、土饅頭にしているところを住民に見つかって逃げ出していきました。午後2時という白昼堂々の犯行で、町には激震が走りました。

これ以来、同じ個体によって飼い犬が襲撃される事件が町内で相次ぐようになったのです」(羅臼町役場産業創生課の田澤道広主任)

翌'19年は7~8月にかけて前年と同じ海岸町、そこから約20キロ離れた峯浜町、両町の中間点である春日町で飼い犬が襲われる被害が起きた。この頃から件のヒグマは関係者によって「RT」と呼ばれるようになり、恐れられてきた。
RTとは、この個体が初めて目撃されたオホーツク管内斜里町ルシャ地区を由来としてつけられたコードネームだ。
RTは現場に残された体毛などから11歳以上のオスと推定される。
目撃したハンターの証言によると体重は200キロほどで、体毛のほとんどが黒いため地元では「漆黒のRT」とも称されている。

田澤氏が続ける。
「'20年は被害がなかったためRTは別の地域へと縄張りを移したのかと思われていました。しかし昨年6月、突如として再び姿を現したのです。そこでまた3匹の犬を襲撃し、命を奪っています」