大迫力のモンスターを相手に、多種多様な武器で戦う狩猟アクションゲーム『モンスターハンター』。かつてはゲームの中で“リアルな狩り”を楽しめることが売りだったが、近年はファンタジー化が進み、往年のファンは疑問を抱いているようだ。

シリーズ1作目から、18年以上もの歴史を持つ「モンハン」。
村や港などを拠点に、広大なフィールドでモンスターと戦うというゲーム性は変わっていない。しかしそれを取り巻くシステムは、長い月日を経て大きく様変わりしている。

シリーズ初期では、ハンターが武器1つで巨大モンスターと戦うのが醍醐味だった。モンスターから剥いだ肉を焼いたり、大自然に生きるモンスターを観察したりと、世界観もリアルに構築されていた印象だ。 

だが新作が出るたび、新要素がいくつも加わり、魔法のような技も増加。たとえば『モンスターハンター クロス』から追加された、チャージアックスの「エネルギーブレイド」は、刀身がビームのような光をまとって巨大化する。

さらに、シリーズ最新作の『モンスターハンターライズ』で加わった「翔蟲」により、空中を自在に動き回ることが可能に。ほかにも虫の糸でモンスターを拘束して操れたり、武器の攻撃エフェクトがド派手になったりと、ファンタジー要素が強まっている。

また、ゲームに登場する「モンスター」についてもリアル感が薄らいできた印象。かつてはモンスターたちの生態がしっかりと設定されており、生物としての営みがリアルに描かれていた。そして、雷や火を吹いたとしても、その現象は合理的に説明されていた。

ところが最近のモンスターは、どんどん摩訶不思議な存在に。とくに古龍種は謎が多く、山のように巨大な大蛇「ダラ・アマデュラ」をはじめ、生態が想像できないモンスターも増えつつある。

こうした傾向に対して、《最近のモンハンはファンタジーすぎる リアリティっていうかモンハンらしさがないよね》《新しいシリーズ出るごとに野生感なくなってファンタジー感強くなってる》《みんな当たり前のように超能力みたいなの使うの草生える》と不満をもらすハンターは少なくない。

ファンタジーなハンティングアクションと言えば、『GOD EATER』などの十八番。だが、今や「モンハン」もファンタジー路線まっしぐらとなっている。ユーザーのためにも、差別化の工夫を行ってほしいところだ。

https://myjitsu.jp/enta/archives/111050/amp